20年度は数多くの新型車が登場したが、21年度も期待のニューモデルが続々と国内に導入されそうだ。そこで、ここでは21年度(21年4月~22年3月)までに国内導入が予想される主な新型車を紹介しよう。(編集部)
電動化の流れが加速中!新型EVも続々登場?
21年度の輸入車新型車は、従来より大きく変化していくことが予想される。というのも、すでに欧州メーカーの軸足はEV化に移行しているからだ。ボルボやジャガーは2030年には100%EV化を明言しているが、ここまで極端ではないとしてもメルセデスやVWをはじめ欧州各メーカーとも電動化戦略を急速に進めている。
というわけで、21年度の輸入車の新型車は電動車がメイン。現在のところ日本でのEV普及は進んでいないのが実情で、急速に普及しそうな雰囲気も感じられないのだが、本国メーカーが投入する新型車がEV中心となれば、国内インポーターも欧州に歩調を併せざるを得ない。実際に売れるのは48VマイルドハイブリッドやPHEVからということになりそうだが、各社が導入するEVの新ラインナップにも注目されるところである。
【メルセデスベンツ】
・Cクラス
21年夏に欧州で発売、日本には21年秋の発売を予定。
新型は5代目で7年ぶりの一新。今年1月に発売された新型Sクラスに似たデザインを採用し、ボディサイズは先代より拡大。全長は65mm、全幅は10mm大きくなり、全長4751×全幅1820×全高1438mmとなる。
ボディタイプはセダンとステーションワゴンが同時に発売される予定。
パワートレーンは全モデルで電動化。ガソリン車とディーゼル車は約20psを発揮するISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と48Vシステムを組み合わせるマイルドハイブリッドで、エンジンはガソリンが1.5Lターボ、2Lターボ、ディーゼルは2Lターボを搭載する。
さらに今後は、2Lターボ+モーターのプラグインハイブリッド仕様も追加される予定だ。
・EQA
日本では4月26日に発売。EQCに続く「メルセデスEQ」シリーズの第2弾。コンパクトSUVのEVで、現在は640万円の「EQA250」のモノグレードのみ発売されている。
メルセデスの普及型EVともいえる存在で、ボディサイズ、パッケージングともに小型SUV「GLA」とほぼ同等だ。
駆動方式はFFのみ。最高出力190psのモーターと66.5kWhのバッテリーを組み合わせ、最大航続距離は422kmとしている。
本格デリバリーを前に先行導入された「EQA250エディション1」は、予約開始から5日で限定50台の枠が埋まるなど、注目度の高さをうかがわせるスタートとなっている。
・EQS
新型SクラスのEV仕様に相当する上級EVセダン。21年夏に欧州でデリバリーを開始、日本では21年内~22年春に導入予定。
先行して発売されている「EQC」はエンジン車のプラットフォームを流用したEVだったが、このEQSとEQAからはEV専用のプラットフォームを採用している。
パワートレーンは1モーターの後輪駆動と、2モーターの4WDがあり、バッテリーは90kWhと108kWhの2種類が設定される。108kWh仕様で最大航続距離は約770km。
日本での価格は未定だが、北米では約1040万円~、イギリスでは約1350万円~。ほぼSクラスと同等の価格設定となっていることも注目だ。
・EQB
今年4月の上海モーターショーで初披露されたEVのコンパクトSUV。3列シートを備え、メルセデス「GLB」のEVバージョンに相当するモデルだ。「EQA」とは姉妹車の関係になる。
欧州では21年内に発売予定。日本では22年春頃導入予定。
パワートレーンはEQAと共用するが、駆動方式は4WDを設定。前輪駆動モデルも設定されるが、これは22年以降になりそうだ。
【BMW】
・iX3
「X3」に相当するミディアムSUVのEV。基本プラットフォームはX3と共用しており、事実上X3のEV仕様といえるモデルだ。
80kWhのバッテリーとリヤに搭載された1基の高出力モーターを組み合わせ、最大航続距離458kmを実現。駆動方式は後輪駆動のみ。
欧州での価格は840万円~となっている。日本への導入は21年内の予定。
・iX
BMWの新世代EVとして開発されたSUVスタイルのEV。全長全幅は、ほぼ「X5」と同等サイズのラージSUVとなる。
パワートレーンは、モーターを前後に1基ずつ備える2モーター式で、駆動方式は4WD。バッテリーは70kWhと100kWhの2種類を搭載。
日本での価格は未定だが、ドイツ本国では約990万円からとしており、ほぼX5と同等の価格設定といえそうだ。
【アウディ】
・新型A3
4月21日発表、5月18日発売。高性能版の「S3スポーツバック」も同時に発売する。
新型は4代目となるモデルで、ボディタイプはハッチバックとセダンを設定。価格は329万円から。
従来同様、VWゴルフとプラットフォームを共用するプレミアムコンパクト。ボディサイズは先代に比べ全長が20mm、全幅が30mm拡大されたが、全長4345×全幅1815×全高1450mm(A3スポーツバック)で、輸入コンパクトとしては比較的小さいサイズ。
パワートレーンは、1L直3ターボ+48Vマイルドハイブリッドの「30TFSI」と、2L直4ターボの「40TFSI」を搭載。駆動方式は「30TFSI」はFF、「40TFSI」はクワトロ(4WD)となる。
・Q4 e-tron
CセグメントのコンパクトSUVスタイルのEV。21年6月に欧州で発売、国内には年内~22年春に導入が予定されている。
搭載するバッテリーは、55kWhの標準仕様と82kWhの大容量仕様の2タイプ。駆動方式は1モーターの後輪駆動と前後2モーターの4WDがあり、82kWh+後輪駆動タイプで最大520kmの航続距離を実現するとしている。
欧州での価格は約545万円からとなっている。
【VW】
・新型ゴルフ
新型は8代目で、8年ぶりの一新。欧州では19年から導入が開始されており、日本には2年遅れでの導入となる。
既に2月から先行予約を開始。1ヵ月で1000台以上の予約があったというから、さすがはゴルフといったところ。正式発売は6月頃を予定している。
全体のスタイル、パッケージは従来と変わらず正常進化。ボディサイズは先代よりも全長が30mm拡大したが、全幅は10mm狭くなり、全長4295×全幅1790×全高1475mm。
21年に日本に導入されるグレードは3つで、パワートレーンは1L直3ターボ、1.5L直4ターボの2種類。全車48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載している。
価格は312.5万円~375.5万円。
【ボルボ】
・C40リチャージ
コンパクトクロスオーバーSUVスタイルのEVで、従来のモデルでは既に生産を終了している「V40」の位置に相当するモデル。
前後に1基ずつ備えた2モーターを搭載する4WD。78kWhのバッテリーを搭載し、最大航続距離は420kmとしている。
販売はオンライン販売のみの計画。また国内販売の最初の100台は、3カ月経てば自由に車両を手放すことができるサブスクリプションでの提供とするなど、車両のみならず販売方法についても注目度の高いモデルだ。
【プジョー】
・308
昨年は「208」がフルモデルチェンジしたが、それに続いて今年はCセグの「308」が一新。欧州では21年後半に発売され、国内では22年初頭より発売される予定。
新型は全長、全幅が拡大され、ロー&ワイドなプロポーションとなるのが特徴。プラットフォームは現行308からのキャリーオーバーだがホイールベースも延長され、居住空間も拡大する。
パワートレーンは1.2Lガソリンターボ、1.5Lディーゼルターボのほか、1.6LのPHEVも導入される。