ブリヂストングループは4月23日、オランダLightyear社の太陽光発電型電気自動車「Lightyear One」向けに、環境性能と運動性能を両立する革新的なタイヤ技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載した特別仕様タイヤ「TURANZA ECO (トランザ エコ)」を開発したと発表した。
Lightyear社は、クリーンなモビリティを誰でも、どこでも利用できるようにすることを使命とし、エネルギー効率の高いデザインと太陽光パネルを搭載した電気自動車を開発する、2016年設立のオランダの企業。
「ENLITEN」は、タイヤの大幅な軽量化、転がり抵抗低減を可能にする同社グループの次世代環境対応商品としての独自技術で、電気自動車(EV)のバッテリー寿命の維持、航続距離の最大化および環境負荷低減に貢献する。また、Lightyear社と同社グループの共同開発は、両社の持続可能な社会の実現に向けた取り組みへの共感と、世界最高峰のソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge(ブリヂストン ワールドソーラーチャレンジ)」を通じたこれまでの共創から生まれたもので、同社グループの「サステナビリティビジネス構想」の実現に向け、共創とイノベーションを通じて、サステナビリティ、モビリティの進化を見据えた断トツ商品戦略を展開するとしている。
「Lightyear One」は、車体上部の太陽光パネルで走行中にも充電することで、725kmの航続距離を実現したEV。「TURANZA ECO」は、「Lightyear One」の航続距離の最大化に貢献するために、革新的なタイヤ技術「ENLITEN」を搭載し、ブリヂストンの欧州子会社ブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエーにより開発された。タイヤサイズは175/60R19で、装着されるEVの要求性能を満たすことを示す同社グループ独自の「EV マーク」が刻印されている。また、「ENLITEN」に狭幅・大径形状と高内圧使用が特徴の低燃費タイヤ技術「ologic (オロジック)」を組み合わせることで、さらなる転がり抵抗低減を実現した。
「ENLITEN」は、タイヤの大幅な軽量化と転がり抵抗低減により省資源化や環境負荷低減に貢献するとともに、従来はトレードオフの関係にある運動性能やタイヤライフとの両立を可能とする、「サステナビリティビジネス構想」の実現へ向けた断トツ商品戦略強化の中核を担う技術。「TURANZA ECO」においては、同社グループの同サイズのタイヤと比べて4本(車1台あたり)で約3.6kgの軽量化を実現し、同社グループ独自のタイヤ開発シミュレーション技術を用いて試作タイヤの本数および開発期間も削減するなど、モノづくり領域でも技術イノベーションを通じてCO2削減、資源生産性の向上に大きく貢献している。