トヨタ、水素エンジン搭載のカローラスポーツでスーパー耐久24時間レースに参戦 -

トヨタは4月22日、カーボンニュートラルなモビリティ社会実現に向けて「水素エンジン」の技術開発に取り組むと発表すると同時に、カローラスポーツをベースとした競技車両に水素エンジンを搭載し、5月21日から23日に行われるスーパー耐久シリーズ2021 第3戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースから、「ORC ROOKIE Racing」の参戦車両として投入するとしている。

水素エンジンは、ガソリンエンジンから燃料供給系と噴射系を変更し、水素を燃焼させることで動力を発生させる。トヨタの「MIRAI」等に使用されている燃料電池（FC）が、水素を空気中の酸素と化学反応させて電気を発生させモーターを駆動させるのに対し、水素エンジンはごく微量のエンジンオイル燃焼分を除き、走行時にCO2は発生しない。

水素の燃焼速度は、ガソリンよりも速く、応答性が良いという特徴があり、優れた環境性能を持つと同時に、クルマが持つ音や振動を含めた「クルマを操る楽しさ」を実現する可能性を秘めているという。

今回の水素エンジンには、昨年9月に販売を開始したGRヤリスなど、モータースポーツで鍛えた技術を活かして開発され、安全性については燃料電池車の開発やMIRAIの市販を通して積み重ねてきた技術・ノウハウを活用している。

なお、競技中には福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」にて製造された水素の使用を予定しており、水素活用の促進によりインフラ拡大を目指すとともに、経済復興・地域の活性化に向けた取り組みも推進する。

トヨタはこれまでもカーボンニュートラルへの実現に向けて、FCVのみならず多くのFC製品の普及による水素活用の促進を目指し、取り組みを強化しており、水素エンジン技術をモータースポーツでさらに鍛えることで、より良い水素社会の実現を目指すと述べている。