日本ミシュランタイヤは4月13日、今月1日に就任した須藤元(すどう・げん)新社長の就任報告会をオンラインで開催した。ポール・ペリニオ前社長も出席し、日本のメディアに向けて最後のメッセージを伝えた。
同社初の“日本人社長”となった須藤新社長は、1999年に入社後2回の中国赴任を経験し、海外の業界事情にも精通。同社の現状を「タイヤを中心としながら、IoTを活用したトラック・バス用タイヤ管理システムTPMS(タイヤ空気圧監視システム)等のサービス&ソリューション、ミシュランガイドなどのエクスペリエンス、3Dメタルプリンティング等、ハイテク・マテリアル分野に拡大している」とし、「“タイヤと共に”“タイヤ関連で”“タイヤを超越して”人類、社会、お客様に貢献することが、グループの描くサステナブルな未来」と説明した。
また「ミシュラングループは2050年までに、タイヤを構成する素材を天然素材やリサイクル素材等、100%持続可能な原材料を使用すると宣言し(現状は30%)、約30年で100%まで高めるため、グループで全力を挙げ技術開発に取り組む。加えて、日本に根ざしたCSR活動にも積極的に推進する」と述べた。
新社長としてまず着手する事として「“タイヤ関連で”“タイヤを超越して”社会貢献を増やすために、パートナーを増やしていきたい。それには、まず社内の思いを統一させ、進化を加速させること。話し合いから、何に取り組むのか、社内のモードを揃えること」を挙げた。
一方、社長在任の5年半を含め、計18年近く日本に滞在したペリニオ前社長はすべて日本語で挨拶。「日本が好きで、この国に住む人も大好き」という前社長は、「日本の思いやりというコンパッションとリスペクトの心に共感し、この心はミシュラングループが大切に守る『人の尊重』の精神そのもの」と語った。
さらに「日本には古くからリサイクルの考えや価値観が根付いており、新しい世界のトレンド“サステナビリティ”は、日本にとっては慣れ親しんだ考え方。持続可能な社会やビジネスを日本がリードしていくことは自然であり、その中で日本ミシュランタイヤも貢献できることがあると私は信じている」と、大好きな日本への期待を述べた。今後は、中国を除く東アジア、オセアニア地域の乗用車・商用車ビジネスのセールスダイレクターとして手腕をふるう。