20年11月に最も盗まれたのはランドクルーザー、年間件数では茨城県が5年連続全国ワースト

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年々手口が巧妙化しているといわれる車両盗難。件数そのものは減少傾向にあるものの、油断は大敵。特に最近は高額車両を狙った盗難が増えており、これまで以上に防犯対策を徹底したいところである。

さて一般社団法人日本損害保険協会は、自動車盗難防止対策の一環として、2000年度から自動車本体盗難事故や車上ねらい事故の実態調査を実施している。このほど発表された「第22回自動車盗難事故実態調査」ではトヨタ・ランドクルーザー(プラド含む)が車両本体盗難のワースト1となった。

1位 ランドクルーザー 25台
2位 プリウス 22台
レクサスLX 22台
4位 レクサスLS 12台
5位 クラウン 9台
6位 アルファード 5台
レクサスIS 5台
レクサスRX 5台
9位 ハリアー 4台
スカイライン 4台
11位 ヴェルファイア 3台
ハイエース 3台
マークX 3台

今回の調査は、2020年11月1日~11月30日に実施されたもの。20年2月に行われた前回調査でもランドクルーザーが最も多く、2回連続でのトップとなった。

また2位以下もトヨタ・レクサス車が並ぶ。海外でも人気が高く、かつ高値で売れる車が狙われる率が高いといえるだろう。しかし、トヨタ・レクサス車以外のユーザーも安心はできない。今回の調査では日産スカイラインが入っただけだが、前回の調査ではホンダ・ヴェゼルやスバル・インプレッサ、いすゞ・エルフなどもランクインしており、あらゆる車が狙われる可能性があるといえる。

都道府県別では茨城県が5年連続で全国ワースト

一方、車両盗難件数を警察庁の犯罪統計資料から地域別に見てみよう。こちらは2020年1月~12月の1年間のデータになるが、未遂も含め全国で5210件が発生している。

これを都道府県別で見ると、最多は茨城県。これで2016年から5年連続での全国ワーストとなった。19年の1482件に比べれば4割以上と大幅減少しているが、それでもまだ多い。今後一層の防犯が望まれるところだ。

2位以下は大阪、千葉、愛知、埼玉と続くが、トップの茨城を含め、車の保有台数や人口とは比例していないことに注意したい。ちなみに車両台数そのものが多く、高額車の保有率も高いと考えられる東京は12位となっている。

さらに茨城県内の発生状況を見てみよう。茨城県警が発表した2019年のデータによれば、1482件中、つくば市が259件で最多。続いて土浦市が150件、牛久市が119件となり、県南地域がトップ3。この県南地域だけで県全体の55%を占めており、一定の地域に集中する傾向が見て取れるから、これらの地域の人は特に用心したい。県庁所在地で県内では人口最多の水戸市は73件で第4位。ここでも人口数と比例しない結果となっている。

車種別では乗用車が745件、貨物車が428件、トラクター等が116件、重機等が94件、未遂が99件。乗用車ではプリウス、ランドクルーザー等、貨物車ではハイエース、エルフ、キャンター等が目立つ。

なお茨城県警では要注意ポイントとして、以下のようなところを挙げている。

・国道などの幹線道路近くの裏通り
・人家がまばらで離れている
・夜間、照明灯などがなく暗い
・防犯設備がない
・門扉などがなく、道路からすぐに入れる

車両盗難を防ぐには、車両にはバー式ハンドルロックや警報装置、タイヤロック等を設置、保管場所には防犯カメラ、センサーライト等を設置するなど、複数の防犯対策を徹底したい。少なくともドアロックだけでは愛車を守れないことは意識しよう。

 

<20年全国車両盗難件数>

茨城県 821
大阪府 789
千葉県 670
愛知県 500
埼玉県 460
神奈川県 213
兵庫県 197
栃木県 180
京都府 133
岐阜県 114
群馬県 113
東京都 96
福岡県 91
北海道 84
福島県 79
静岡県 65
滋賀県 65
三重県 52
長野県 42
沖縄県 42
宮城県 37
新潟県 37
山梨県 27
熊本県 27
奈良県 25
広島県 25
鹿児島県 21
富山県 20
岡山県 19
石川県 14
青森県 13
秋田県 13
和歌山県 13
山形県 10
福井県 10
徳島県 10
愛媛県 10
佐賀県 10
長崎県 10
大分県 8
宮崎県 8
鳥取県 7
山口県 7
岩手県 6
香川県 6
高知県 6
島根県 5
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