文:ドラヨス/写真:ドラヨス、編集部
あてもなくドライブするのも良いが、一つのテーマに沿ってドライブするのもまた面白い。
「ワンダー速報」というブログを運営する筆者(ドラヨス)は、ワンダー(不思議)なスポットを巡る「ワンダートラベル」というブログコーナーを不定期に連載しているが、旅行雑誌に掲載されるようなプランとは少し違った視点でドライブしてみたいと思う。
今回の「きままにクルマ旅」は、知多半島のちょっと不思議でレトロな風景を巡るドライブ旅。家と職場の往復の景色だけでは人生も疲弊してしまうので、たまには非日常を味わえる不思議な風景を見に愛車とドライブしてみるのも良いだろう。
目次
・中部国際空港 セントレア「レトロと飛行機のワンダースポット」
・常滑市「やきもの散歩道でとこにゃんに出会う」
・半田市「赤レンガ建物と運河でタイムスリップ」
・ご当地ランチ「味仙 台湾ラーメン」
・旅グルマ紹介「レクサスIS300 “F SPORT Mode Black”」
中部国際空港 セントレア「レトロと飛行機のワンダースポット」
旅のスタート地点として選んだのは、知多半島中央の人工島にある中部国際空港セントレア。「不思議でレトロな」という今回のテーマと無縁そうに思えるが、実はセントレアの内外にはワンダーなスポットも数多く存在している。
駐車場も豊富にあるし、セントレア内外の施設は無料でも結構楽しめるので子供を連れてゆっくり見て回るのも良しだ。
空港ターミナルビルに入ると、訪日観光客向けと思われる忍者や侍をモチーフにした装飾がいたるところになされていて、日本人が見てもユニークで面白い。
第1ターミナルビルの4階には、今回の旅のテーマでもあるタイムスリップしたようなレトロな飲食店街が並び、これもまた訪日観光客だけでなく日本人が見ても楽しめる造りだ。さすが愛知県の空港だけに、名古屋めしの店も豊富にある。ここで早めの昼食にしても良いだろう。
セントレアは空港なので、当たり前だが飛行機が間近に見れる展望デッキもある。第1ターミナルビルの4階にある「スカイデッキ」は、長さ約300メートルの総ウッド張りの屋外デッキとなっており、デッキ先端から滑走路までは300m、飛行機が滑走路まで移動する誘導路まではわずか50m程度と、日本で一番近くに飛行機を感じられる展望デッキとして人気を博している。
伊勢湾とその先の山々を望む風景自体も絶景だが、それをバックに離発着する飛行機を間近に見れるのもセントレアだけの魅力だ。子供だけでなく大人も時間を忘れて非日常の風景を眺めていられるだろう。
そしてセントレアにはもう一つワンダーなスポットが存在する。
先ほど、「セントレアの内外」という表現をしたが、セントレアの第1ターミナルビルを出て、動く歩道を南へ進むと「FLIGHT OF DREAM」という施設が見えてくる。
FLIGHT OF DREAMは、ボーイング787初号機の展示をメインとした遊べる飛行機テーマパーク。ボーイングの工場があるシアトルに本社があるスターバックスなどの飲食店や小売店が併設されている。
なぜボーイング787の初号機が展示されているのかというと、ボーイング787型機の部品の35%は愛知県の工場で製造されており、2009年に初飛行したボーイング787の初号機は各種飛行試験を終えたのち、2015年にボーイングから中部国際空港(株)に寄贈され、それがFLIGHT OF DREAMに展示されているのだ。
しかもただ展示されているだけではなく、有料にはなるが「チームラボ」がプロデュースしている体験型デジタルコンテンツエリア「フライトパーク」の一部としてボーイング787初号機の中に入ってコックピットの見学をすることが出来、航空について楽しみながら学び、遊ぶことができる(大人1,200円、小学生以下800円、3歳未満無料)。
もちろん、無料のショッピングエリア「シアトルテラス」からでもボーイング787初号機を見ることが出来るので、休憩がてらコーヒーを飲みながら眺めるのも良いだろう。
※FLIGHT OF DREAMの展示内容は2021年1月時点のもの、今後変更する可能性があります。
常滑市「やきもの散歩道でとこにゃんに出会う」
次の目的地は、セントレアからでもクルマで10分という近場にある、常滑市にあるやきもの散歩道。
焼き物のまちとして知られる常滑市は、陶器が埋め込まれた壁や道、レンガ造りの煙突や登窯などがあるレトロな町並みが魅力で、「美しい日本の歴史的風土準100選」にも選ばれている。
スタート地点としては、焼き物の販売やギャラリーがある陶磁器会館の駐車場にクルマを停め、やきもの散歩道のパンフレットを手に入れ出発しよう。(駐車場は土日祝有料)
町歩きを始めると、至るところにある陶器や土管などが埋め込まれた道や壁が目に入り、不思議としか言いようのない迷路のように入り組んだ町並みは、まさに非日常感に溢れている。タイムスリップしたようなレトロな家屋、高台から見えるレンガ造りの煙突、突如現れる登窯、珍しい雑貨が並ぶ商店など、異世界に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥るだろう。
陶磁器会館西の壁の上から、巨大な招き猫が顔を覗かせているという、これまた不思議なスポットが有る。高さ3.8m、幅6.3mという巨大な招き猫は、とこなめ見守り猫「とこにゃん」として親しまれているので、常滑に来たならぜひとこにゃんの写真は撮っておきたいところ。
とこにゃんが覗いている壁には、「御利益陶製招き猫」39体、「本物そっくりの猫」11体があり「とこなめ招き猫通り」の名で親しまれている。御利益招き猫は、常滑市ゆかりの陶芸作家39人がまったく異なるデザインで招き猫を表現しており、「これ、招き猫なのか…?」と思えるユニークなデザインもあるのがまた楽しい。それぞれに様々な御利益が込められているとのことなので、一体一体じっくり見て歩くのも良いだろう。
やきもの散歩道にはAコース・Bコースとあり、Aコースは1.6kmで約1時間、Bコースは4kmで約2時間半かかるので、パンフレットを見ながら気になるスポットだけを回るのも良いだろう。個人的には土管坂、登窯、とこにゃんは外さずに見ておくことをオススメする。
半田市「赤レンガ建物と運河でタイムスリップ」
常滑で散歩を楽しんだ後は、クルマで20分程度のところにある半田市に移動。半⽥市は江⼾時代から醸造業や海運業などで栄え、商業や製造業を中⼼に発展した街。赤レンガ建物や蔵、運河などの歴史的商業施設が多いのも魅力だ。
散歩で渇いた喉を潤すのに、半田赤レンガ建物に立ち寄るのはいかがだろうか。
半⽥⾚レンガ建物は、1898 (明治31)年にカブトビールの製造⼯場として誕⽣、明治時代に建てられたレンガ建造物としては⽇本で5本の指に入るほど大きいのが特徴だ。カブトビールは昭和初期に製造は終了し、第二次世界大戦中には中島飛行機製作所の衣糧倉庫として使用されていた。そのため空襲による機銃掃射の弾痕が北側壁面に残っている。現在は国の登録有形文化財、経済産業省の近代化産業遺産に指定されている。
現在建物の内部は、カブトビール誕生の歴史などを模型・映像・当時の写真等で紹介する展示室(有料)や、カフェ&ビアホール・ショップなどが存在する。
カフェ&ビアホール「Re-BRICK」では、復刻された明治期と大正期のカブトビールの飲み比べや、カフェメニュー、食事も楽しめる。ハンドルキーパーだけはビールを楽しめないが、ショップで瓶カブトビールもお土産として購入できるので、宿や家に着いてからじっくり味わうのも良いだろう。
カフェで喉を潤した後は、海運業でも栄えた運河まで足を伸ばしてみる。
半⽥運河周辺は、江⼾時代を中⼼に海運業や酒や酢などの醸造業で発展、運河沿いに⽴ち並ぶ⿊壁の蔵の⾵景とともに、歴史的な建造物も保存され、往時の姿を今に伝えている。
黒壁の蔵が立ち並ぶ運河の風景は、まさにタイムスリップしたような感覚を味わえるだろう。運河の幅も広く、当時の隆盛を感じずにはいられない。
現在はコロナ禍で営業休止中だが、ミツカン本社の隣りにある「MIZKAN MUSEUM」では、酢づくりや食文化の歴史を学べる体験型博物館となっている。お土産を買うのにも最適だ(有料・現在閉館中)。
ご当地ランチ
味仙 台湾ラーメン
愛知県と言えば名古屋めしでも有名な味仙の台湾ラーメンは一度は食べておいたほうが良いだろう。
愛知県内だけでなく各地に支店がたくさんあるが、今回旅の冒頭で立ち寄った中部国際空港セントレア内にも味仙はある。
クリアな鶏ガラスープに中太麺、ミンチとニラがたっぷり乗り、トウガラシで激辛というのが味仙の台湾ラーメンの特徴だ。何故、台湾ラーメンが名古屋めしなのかというと、千種区今池にある台湾料理専門店「味仙」が元祖で、台湾の担仔麺(タンツーメン)をベースに辛く味付けしたものを従業員のまかない用に作ったていたものが、常連客からの「美味しそうだから食べたい」というリクエスト応えるかたちでメニューに加わった。
麺を啜ると、猛烈な辛さでむせることがあるので要注意。あまりの辛さに汗が体から噴き出してくるほどで、どの客も汗を拭いながら麺を啜る姿を見ることができるだろう。
しかし、一口、二口と食べ進めていると辛さにも慣れ、ひき肉とニラの旨味が口の中に広がってくる。店舗によっては裏メニューでさらに辛いアフリカンやエイリアンと言った超激辛が用意されているが、辛いのが苦手な人用にアメリカンという辛さ控えめなメニューも用意されている。
食べ終わる頃には、辛さよりも旨さが勝り、病みつきになって常連客が列を作るのも納得できることだろう。
個人的なオススメは「台湾丼」という、台湾ラーメンの上に乗っているひき肉がご飯の上に乗せられ、その上に生卵が乗ったメニューが店舗によっては存在しているので、見つけた方は台湾ラーメンと一緒に賞味して欲しい。
台湾ラーメンほど激辛でもなく、卵があるのでよりマイルドで、ご飯と合わないわけがない。台湾ラーメンと一緒に食べても、半ライスを付けたくらいの感覚でペロリと食べられるはずだ。
旅グルマ紹介
レクサス IS300 “F SPORT Mode Black”
2020年秋に2度目のマイナーチェンジを行ったレクサスISの2.0Lターボモデルが今回の旅グルマ。
現行型ISは2013年のデビューですでに7年以上が経過したモデルながら、2016年、そして2020年と2回のマイナーチェンジを行い、商品力を維持している。
プラットフォームやパワートレインはキャリーオーバーながら、エクステリアは全長で30mm、全幅で30mm拡大するなど大幅リファインされ、今までのビジーなデザインから一転、スッキリとわかりやすいかっこよさを身に着けて生まれ変わった。
レクサスの最新プラットフォームやパワートレインが未採用なので、走りは劣るのかと思いきや、ハブボルト締結に変わった足回りや、レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤などを用いて剛性を高めたボディは、最新のプラットフォームに勝るとも劣らない走りを見せてくれる。
2.0Lターボと8速ATの組み合わせも、多段ATならでは小気味よい変速でストレス無い加速と静粛性の高さがあり、往復700km以上のロングドライブでも快適に過ごすことが出来た。
その理由の1つに、安全装備や運転支援が最新のものにアップデートされたことも大きく寄与している。今回のマイナーチェンジから電動パーキングブレーキとブレーキホールドもようやく装備され、全車速追従のレーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストが高速走行をアシストしてくれたおかげで、疲労感も少なく済んだ。
今回の立ち寄りスポットマップ
1=中部国際空港セントレア(味仙 台湾ラーメン) 2=やきもの散歩道 3=半田赤レンガ建物
※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。
[ドラヨス]
月間100万PVのブログ「ワンダー速報」と、登録者数12万人、月間440万再生以上(2020年10月30日現在)のYouTubeチャンネル「ワンソクtube」の管理人。
クルマ買うチューバーを自称し、2か月に1台のペースでクルマを購入してレビューするスタイルが好評。
ワンダー速報ブログ:https://wansoku.com/
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