ボルボ・カーズは1月13日、2030年までにクライメートニュートラルな都市の実現を目的として、スウェーデンのイェーテボリ市と協力して、将来の持続可能な技術の実証基盤として使用される新しい都市ゾーンの創設を目指すと発表した。
【完全に排出ガスを排出しないエリアを確立することを目指した取り組み「イェーテボリ・グリーン・シティ・ゾーン」】
イェーテボリ・グリーン・シティ・ゾーンと呼ばれるこの取り組みは、スカンジナビア最大の港湾都市内に、さまざまなクライメートニュートラルな交通手段と接続されたインフラを備えた、完全に排出ガスを排出しないエリアを確立することを目指しており、2021年春から開始し、順次拡大していく予定となっている。
【ボルボ所有のモビリティプロバイダーMが運営するロボタクシーをゾーン内で稼働】
ボルボは、実際の都市をテストの場として使用することで、電動化、共有モビリティ、自動運転、コネクティビティ、安全性の分野での技術やサービスの開発を加速させることができ、実証基盤の一環として、同社では自社所有のモビリティプロバイダーMが運営するロボタクシーのゾーン内での稼働を予定している。
テストされる技術の例としては、ゾーン内の車が電気のみのモードで動作し、制限速度内に留まることを保証するジオイネーブルソリューションやサービス、車のアクティブセーフティ機能に接続し、道路利用者間で情報を共有することができる交通インフラなどで、その他の可能性のある例としては、完全な電動モビリティーハブ、電気自動車のための完全で使いやすい充電ネットワーク、自動運転タクシーなどが挙げられる。
ボルボ・カーズのCEOであるホーカン・サムエルソン氏は、「基本的には、街中での自動車の台数を制限するプロジェクトを開始することになります。このことは我が社の目的に合致するものです。既に、効率性と利用率を向上させるために独自のAI技術を開発した、シェアードモビリティサービスMへの投資で証明されている通りです。私たちは、未来の都市の創造に関与し、住みやすい都市を維持したいと考えています。今回の取り組みは、そのための機会を与えてくれると同時に、自分たちの地元に対して責任を持つことができます」と語った。
ボルボ・カーズは、クライメートニュートラルへの移行を阻む主な障害は、気候に優しい技術やスマートな技術の不足ではなく、それらを実行する能力の不足であり、変革にはイノベーションを促進するための全体的なアプローチと、すべてのステークホルダー間の深く継続的な協力が必要であると述べている。
【ボルボ・カーズ:2040年までにクライメートニュートラルな企業になることを目標に、二酸化炭素排出量を継続的に削減】
モビリティプロバイダーMは、2020年に独自のAI技術を通じて、イェーテボリの混雑を減らし、排気ガスの排出量を減らすことが証明されており、Mから配車される1台は、現在では市内の民間所有の8台の車に取って代わることが可能となっている。またイェーテボリ市と同様に、ボルボ・カーズも2040年までにクライメートニュートラルな企業になることを目標に、二酸化炭素排出量を継続的に削減しており、この目標を実現するために、自動車1台あたりのCO2排出量を40%削減すること、全世界での販売台数の50%を完全電気自動車、残りはハイブリッド車にすること、製造や物流を含む同社の事業全体で発生する二酸化炭素排出量を25%削減することなど、2025年までに達成すべき多くの目標を設定している。