文・写真:岩田 一成(キャンピングカーライフ研究家/ライター)
東岸に相模灘、西岸に駿河湾をのぞむ伊豆半島は、豊かな自然が織りなす絶景を求めて全国から多くの人が訪れる、静岡エリア屈指の景勝地。日本有数の温泉地帯であると同時に、周囲を海に囲まれているため新鮮な魚介類を味わえるのも大きな魅力だ。
湯河原温泉や熱海温泉、伊東温泉を有する東伊豆エリアが、観光地としてもっともポピュラーだが、半島の対岸にあたる西伊豆エリアにも、数多くの絶景スポットやダイビングスポット、オートキャンプ場などがあり、より自然を体感したい人から人気を集めている。
なかでも、松崎町にある雲見温泉郷は、観光地の喧騒とは一線を画す落ち着きのある雰囲気の穴場的スポット。今回は、高台から西伊豆の海と富士山を一望できる絶景のフィールドで、お手軽にアウトドアを体験。雲見エリアならではの大自然と、豪快な海の幸を満喫した。
目次
・雲見オートキャンプ場 絶景のフィールドでお手軽アウトドア体験
・雲見浅間神社 ハードな登りの後に待ち受ける西伊豆の大絶景
・雲見海岸 青く澄み切った海を眺めながら足湯を堪能
・黄金崎 夕日を浴びて黄金色に輝く美しい岩肌
・ご当地ランチ 「池魚さくら」絶品漁師めしを味わう
・旅グルマ紹介 「トヨタ・ハイラックス」外遊びに最適なピックアップトラック
雲見オートキャンプ場
絶景のフィールドでお手軽アウトドア
松崎町にある「雲見オートキャンプ場」は、駿河湾の青い海と富士山を一望できる、ロケーション抜群のフィールド。西伊豆のメインストリートである国道136号線を南西方向に曲がり、タイトな道をしばらく登ると海側に開けた高台のキャンプサイトにたどり着く。人工的に管理された高規格オートキャンプ場とは一線を画す、昔ながらのフィールドだが、どこか懐かしさを感じる素朴な雰囲気も、このキャンプ場の大きな魅力となっている。
隅々まで清掃の行き届いた場内には、クルマを乗り入れできるオートキャンプサイト15区画(1区画8×8m)、5人用のログケビン11棟、6人用のログハウス2棟が完備され、訪れた人がそれぞれのスタイルでアウトドアを楽しめる体制が整っている。管理人が24時間常駐しているため、小さな子連れのファミリーでも安心感は高い。
今回は、「お手軽にアウトドアを楽しむ」というコンセプトで、ログケビンを使用した。室内には冷暖房、冷蔵庫、ACコンセントが完備され、マットレス付きの2段ベッドで最大5人までの就寝が可能。管理棟でシュラフや毛布のレンタル(有料)もできるので、本格的なキャンプ装備を持っていない初心者でも安心して利用できる。
高台のキャンプ場は、駿河湾を一望できる最上級のロケーションだ。大自然の中でゆったりと流れる時間を過ごし、ウッドデッキから駿河湾に沈む夕日を眺め、ランタンの明かりの下でバーベキューに舌鼓。無料で利用できる展望風呂に浸かった後は、焚き火の揺らめく炎を眺めながら穏やかな時間を堪能する。
田舎に里帰りしたような気分になれる「雲見オートキャンプ場」は、最高のロケーションの中で初心者でも安心してキャンプを楽しめる、西伊豆随一の好フィールドだ。
雲見浅間神社
ハードな登りの後に待ち受ける西伊豆の大絶景
標高164mの烏帽子山(えぼしやま)に鎮座する「雲見浅間神社」は、全国におよそ2000社あると云われる浅間神社の中でも珍しい、磐長姫尊(いわながひめのみこと)のみを祀る神社。約450段の石段と山道を登らないとたどり着けない険しい神社だが、駿河湾、富士山、南アルプスの絶景を堪能できるパワースポットとしても人気が高く、1年を通して多くの観光客や地元の人が参拝に訪れる。
国道136号線のすぐそばにある駐車スペースにクルマを止め、正面の鳥居をくぐって、まずは約130段の石段で拝殿へ。さらに、約320段の心臓破りの石段と険しい山道を登りつめると、標高164mの山頂に建つ本殿にたどり着く。入口から本殿までは、40分程度の道のり。道中には、足場の悪い急な山道や片側が切り立った岩場もあるので、サンダルやハイヒールなどの軽装は禁物。足元は最低でも運動靴、飲料水や汗拭きタオルも忘れずに持参しよう。
本殿を参拝したら、すぐ横にある階段を上って山頂展望台へ。烏帽子山の山頂から眺める360度の大パノラマは、思わず息をのむほどの素晴らしさ! 真っ青な青空、澄み切った雲見ブルーの大海原、眼下に見える雲見温泉街、海の向こうには雄大な富士山と南アルプスの山々……。西伊豆随一の大絶景を味わえる、雲見エリアの穴場的スポットだ。