本田技研工業は11月20日、軽乗用車「N-ONE」をフルモデルチェンジし、発売した。新型車は、ホンダ乗用車の原点である「N360」の思想を継承し、ミニマルで心地よい空間を追求するとともに、最新の安全装備を全車標準装備する。さらに、スポーツグレードには、軽初のFFターボと6速MTの組み合わせを設定。運転する楽しさと操る喜びが感じられる、走行性能にも磨きをかけた。
■シンプル・モダンに進化したデザイン
エクステリアは「丸・四角・台形」を基本形とする、N360のデザインを現代風にアレンジした先代のシルエットを継承。これをベースに、フロントデザインは走る楽しさと安全性の進化を表現するため、バンパー下部を踏ん張り感のあるスタンスを持つ。
ヘッドライトはフルLEDとなり、軽初のデイタイムランニングランプに、ポジションランプ、ターンランプ、ハザードランプを兼ねたマルチファンクション発光リングを採用。N-ONEらしさを表す丸目のアイコンを強調している。
グレードはベースの「オリジナル」、上質感をプラスした「プレミアム」、スポーツグレード「RS」の3タイプを設定。グレードごとに各部の意匠が異なり、プレミアムは水平基調の大開口フロントグリルと、フォグライトガーニッシュモールにクロームメッキをあしらい、ワンクラス上の質感を実現する。
RSのフロントグリルはハニカムメッシュのデザインに、ダーククロームメッキのモールで縁取るとともに、フォグライトガーニッシュもダーククロームメッキとし、スポーツモデルにふさわしい精悍な表情としている。
インテリアは、“運転席=運転する楽しさ”、“助手席=ミニマルながら寛げる空間”を追求。インストルメントパネルを大胆に削ぎ落し、助手席の足元まわりは大人が足を組みゆったりと座れるスペースを創出した。加えて、メーターの端から助手席の端まで伸ばしたデザインを採用し、視覚的な広さを演出する。
運転席のメーターは左側にタコメーターとスピードメーター、右側に3.5インチディスプレイを配した異形2眼コンビネーションメーターを採用。加えて、ステアリングホイール周辺に様々なスイッチを配置したことで、ドライバーがスムーズかつ的確に情報を取得し、運転に集中できる空間とした。
また、運転席と助手席のシートはセパレートタイプと、シート間にコンソールボックスをレイアウト。インストルメントパネルと合わせて、手が届く位置に配置したカップホルダーをはじめ、充電用USBジャックやポケットなどを装備し、利便性も高めている。
■RSのターボに6速MTを設定
エンジンはNA(最高出力58PS/最大トルク65Nm)、ターボ(同64PS/同104Nm)を設定。NAエンジンはバルブコントロール機構VTECを採用し、パワーと23.0km/L(WLTCモード、FF車)の優れた燃費性能を両立する。ターボエンジンは、電動ウェイストゲートバルブによって、燃費性能とレスポンスを向上させた。
組み合わされるCVTは、アクセル開度にリニアに反応する制御をN-ONE用にセッティング。これによって、素早く加速Gが立ち上がり、車速の上昇とともにエンジン回転がリニアに上昇する。さらに、通常のブレーキ操作だけでエンジンブレーキを併用しやスムーズな減速が行える、ブレーキ操作ステップダウンシフト制御を採用している。
RSはSレンジのCVT制御を専用セッティングし、アクセル中間開度までを高回転化。アクセル低開度のレスポンス向上を図った。加えて、ブレーキ操作ステップアップシフト制御は“減速のため”から“加速準備のため”のダウンシフトとして、鋭い加速を実現する。
また、RSのターボには6速MT車も設定。ギアレシオはS660と同じく1~5速をクレスレシオ化し、時速30~60kmを2速だけでもカバーできるようにし、軽快な走りを実現する。
さらに、快適なクラッチフィールを実現するために、高トルク対応クラッチに加え、ダンパー機構に伝わる振動を軽減するクラッチダンパーを採用。シフトを切り替えるたびに、しっかり感とスムーズなクラッチフィールをもたらしている。加えて、ピークトルクリミッターによって、クラッチペダルの急操作時に継合速度を低下させ、トランスミッションへの衝撃入力トルクを軽減。トランスミッションの保護と、快適なクラッチフィールを両立させた。
安全装備は、先進安全運転支援システム「ホンダセンシング」全車標準装備。衝突軽減ブレーキやオートハイビームをはじめ、後方誤発進抑制機能なども備える。
加えて、軽の6速MTでははじめて渋滞追従機能付アダプティブクルーズ、車線維持支援システムを採用する。
【希望小売価格】
▽オリジナル=159万9400円~173万2500円▽プレミアム=177万9800円~191万2900円▽プレミアムツアラー=188万9800円~202万2900円▽RS=199万9800円