ボッシュは10月26日、同社で定年を迎えた従業員を社外に派遣する人材派遣サービスを2020年10月より開始すると発表した。
同社では、まずボッシュのグループ会社への紹介および派遣業務を開始し、その後2021年4月より協力企業や代理店などの関連企業等に新規派遣先企業を広げていく予定で、主な派遣業務としては、プロジェクトに関連する設計・開発・生産・品質管理、および購買・営業等となる見込みだと述べている。なお同社では、人材派遣サービスの開始にあたり、既に厚生労働省より労働者派遣事業についての許可を取得している。
ボッシュでは、同社で定年を迎えた従業員のスキルや経験を活用する仕組みとして、Bosch Management Support(BMS)制度を2010年より展開。従来は、退職者の数十年におよぶスキルや経験と社内でのニーズをマッチングして社内に配置することで、ノウハウの継承や若手人材育成などを担ってきたが、今回派遣先を社外にまで拡大することで、定年退職者が選択可能な職種や業種の選択肢を増やし、働きがいの向上に貢献すると説明している。
ボッシュで定年を迎えた従業員は、本人の希望に応じてBMSへの登録ができ、年齢制限の上限なく適性に応じてプロジェクトに応募することが可能で、現在の登録者数は約140名となっている。2010年に制度を開始して以来、200超の社内プロジェクトに定年退職者が参画している。
ボッシュ株式会社の代表取締役社長クラウス・メーダー氏は、「ボッシュ社外にまで派遣先を拡大することで、ボッシュのシニアエキスパートがより自身の経験やスキルにあったプロジェクトを選択でき、働きがいややりがいの向上につながることを期待しています。また、派遣先の企業においても、ボッシュで培った豊富な知識を活用することで、業務の幅の拡大に貢献できると考えています。ボッシュでは、従業員がより良い環境で働くことが出来るよう、柔軟な勤務制度や社内公募制度など様々な施策を展開しており、今回の施策もその一環として推進するものです」と語った。
ロバート・ボッシュGmbHは、1999年にドイツでBosch Management Support GmbHを設立して以来、対象国を拡大し、現在ではドイツ、日本のほか、米国、メキシコ、ブラジル、イギリス、トルコ、オーストリア、インド、中国の10か国でBMSを展開。ロバート・ボッシュGmbHでは、BMSを世界的なダイバーシティ戦略のひとつとして推進しており、定年退職した後も、個人のスキルや経験を活かし、かつ働きがいをもって業務を選択できる環境を構築している。