日本ミシュランタイヤは10月6日、2021年度版に限り岡山県全域を加えた「ミシュランガイド京都・大阪+岡山2021」を10月9日に発売するのに先駆けて、京都・大阪のすべてのセレクションを発表した。
12年目となる京都・大阪を対象としたミシュランガイドは、総掲載軒数487軒、京都の飲食店・レストラン216軒、旅館20軒、ホテル29軒、大阪の飲食店・レストランは207軒、ホテル15軒となった。10月2日に発表した今回限りの追加となる岡山県のセレクションと合わせた総掲載軒数は691軒となる。
<京都・大阪2021の主なセレクション>
料理の評価は、ミシュランガイド独自の5つの基準により、三つ星()「そのために旅行する価値のある卓越した料理」、二つ星()「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」、一つ星()「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」で表現している。ビブグルマン()「価格以上の満足感が得られる料理」、ミシュランプレート()「ミシュランの基準を満たした料理」のお店もある。
ミシュランは持続可能なモビリティを世界的に積極的に推進しており、今年からミシュランガイドでも持続可能なガストロノミー(美食)を実践する最前線にいる飲食店・レストランの取り組みに光を当て、調査員は料理の評価と同時に、飲食店・レストランのサステナブルな取り組みを調査し、エコシステム全体を評価した。そして真に献身的で、革新的な施設をグリーンスター()として紹介しているほか、グリーンスターに向かい、ポジティブなアクションをしている施設をポジティブステップとして、「ミシュランガイド京都・大阪+岡山2021」から掲載を始める。
<両都市のセレクションの特徴>
【京都】
- 三つ星は7軒。12年連続で三つ星で掲載の日本料理「菊乃井 本店」と「瓢亭」は、サステナブルな取り組みにも力を入れている。
- 二つ星19軒のうち、いずれも日本料理の「高台寺 和久傳」、「草娃 なかひがし」、「美山荘」はグリーンスターでの掲載となった。
- 一つ星84軒のうち、新規掲載店は13軒。イノベーティブで新規掲載された2軒、「CAINOYA」は和洋にとらわれず、減圧加熱調理も駆使した多様な料理を提供。「ルーラ」は薪火や発酵調理を使い、Nomaで学んだノルディックを基調とした独創的な料理を提供している。
- ビブグルマンは26種類の料理カテゴリーから、106軒掲載され、新規掲載は22軒。カレー、うどんの新規掲載はどちらも3軒あり、盛り上がりを見せている。
- グリーンスターは5軒、ポジティブステップの飲食店・レストランは15軒。中には無農薬による自家栽培の穀物や野菜、フードロスの削減、フードマイレージの軽減、環境保全などに積極的に取り組む飲食店・レストランが掲載された。
- 新規開業のホテルが多く、新たに8軒がセレクションに加わった。著名な建築家やデザイナーが手掛けていたり、循環型社会に寄与したライフスタイルのホテルなど、ユニークなコンセプトの施設が掲載された。
【大阪】
- 三つ星は3軒。日本料理「柏屋」はグリーンスターで掲載された。なにわの伝統野菜の文化と継承に努め、水産資源の保全にも注力している。イノベーティブ「HAJIME」は水道濾過システムの導入や、輸送による二酸化炭素排出軽減に努めている。
- 二つ星は12軒。フランス料理「ラ・シーム」は郷土の在来豚を復活させる取り組みをしている。
- 一つ星81軒のうち新規掲載は7軒。グリーンスターで掲載された「寺田」は自然の循環による米作りや、環境負荷を軽減した農法で成育された野菜を使っている。
- ビブグルマンは26種類の料理カテゴリーから111軒掲載され、新規掲載は23軒。寿司「寿司常」は明治24年創業のバッテラ発祥の店。カレー店「シナジー」は女性店主がトルコやネパールに訪問した際、スパイスに魅了され漢方や薬膳も学び、営んでいる。
- 一つ星、ビブグルマンに、女性シェフの飲食店・レストランが10軒セレクションされた。