2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1戦が8月29日(土)、30日(日)の両日、新型コロナウイルスの影響により約5か月遅れで栃木県のツインリンクもてぎで開催された。今大会は観客を5000人に絞り、関係者は感染予防策を十分に実施し予選と決勝を日曜日の1日で行うスケジュールで行われ、決勝の距離も35周(168.035km)に短縮された。
2週間前にWEC(FIA世界耐久選手権)スパ6時間レースに出場した中嶋一貴選手(VANTELIN TEAM TOM’S、小林可夢偉選手(carrozzeria Team KCMG)、山下健太選手(KONDO RACING)の3名については 帰国後自己隔離を続け、サーキットでも専用のあらゆる感染拡大防止対策を実施した上で今大会への参加が許可された。
また、今季のスーパーフォーミュラは、入国制限により全戦参加が叶わないドライバーが出ることなどを考慮して、全7戦中5戦分の有効ポイントでタイトルが争われる他、ポイントシステムも変更され、予選トップ3に3・2・1点が与えられ、決勝での入賞ポイントもトップ10台、優勝者は20ポイントが与えられるシステムとなっている。
予選 では、平川 亮選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車)がは予選Q3でコースレコードを記録してポールポジションを獲得し、サッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)が2番手、山下選手が3番手、中嶋選手が5番手、石浦宏明選手(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が6番手、関口雄飛選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が7番手、小林選手が8番手となり決勝進出を決めた。
決勝では、ポールポジションの平川選手が順当なスタートを切り、フェネストラズ選手がやや遅れ、3番手の山下選手がこれをパス。その後方ではやや混乱があり、12番手スタートの坪井が接触からコースオフして1周目にリタイアとなり、後ろには4番手に中嶋選手、5番手には関口選手が続き、さらにその後方には、小林選手を先頭に複数台が繋がってのバトルが展開された。
20周目、小林選手と後続が接触し右後ろタイヤをパンクしてピットインを余儀なくされ、関口選手も21周目にコースアウトして戦線離脱。11番手スタートだったキャシディ選手が6位となり、スタートで大きく順位を落としていた石浦選手が8位、17番手スタートの大嶋選手が10位とポイント圏内に浮上した。レース終盤には、2位の山下選手がペースを上げて平川選手との攻防となったが、そのまま平川選手が逃げ切りポール・トゥ・ウィンで今季開幕戦を制し、昨年に続きもてぎ戦2年連続勝利、スーパーフォーミュラ通算2勝目を挙げた。
山下選手は2位、フェネストラズ選手が3位に入り、スーパーフォーミュラ参戦初年度のルーキーが初レースで表彰台を獲得。中嶋選手が4位、キャシディ選手が6位、石浦選手が8位、大嶋選手は10位で完走した。