横浜ゴムの茨城工場(茨城県小美玉市)は、11月22日に、生物多様性に配慮した工場として一般社団法人「いきもの共生事業推進協議会(ABINC)」の「いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)」を取得したと発表した。横浜ゴムが同認証を取得したのは平塚製造所、尾道工場に続き3拠点目となる。ABINC認証は、一般社団法人「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」 が開発した「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」に基づき第三者評価・認証する制度。
また、横浜ゴムでは、2010年に開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に合わせ「生物多様性ガイドライン」を制定し、国内外の工場で従業員による全員参加型の生物多様性保全活動を推進している。茨城工場は、敷地の48%を緑地が占めており、湿地や草地、樹林、芝地など多様な環境により成り立っており、従業員は周辺の里地と一体となった環境の中で「サシバ(タカ科の鳥類)と共生する工場」を目指し、多様な動植物が成育する環境の整備や植物や野鳥のモニタリングに取り組んでいる。また、工場排水の排出先河川を含む周辺地域において水質、水生生物、鳥類のモニタリングや外来植物の抜根による在来種の保全活動を行うことで、工場操業によるリスクを把握し、生態系の保全に寄与する工場を目指している。
横浜ゴムは、2007年から創立100周年にあたる2017年までに国内外の生産・販売関連拠点で50万本を植樹する「YOKOHAMA千年の杜」プロジェクトに取り組み、2017年9月に計画通りに達成した。茨城工場では、従業員がどんぐりから育てた苗木を敷地内に約13,000本植樹したほか、小美玉市や市民へ苗木の提供も行ってくるなど、こうした生物多様性活動、植樹などの取り組みが評価され、今回の認証に至った。横浜ゴムは同認証の取得を国内の生産拠点で推進している。なお、2017年にこの認証を取得した平塚製造所は2019年11月22日にABINCより、認証の更新を受けている。