ここ2カ月、新車販売が低迷している。要因は消費税率の引き上げや、台風による水害等を指摘する向きが強い。この他見逃せないのは価格の高騰である。
消費税の他、安全対策デバイスやパッケージ、ドライブレコーダー、ナビ、ETC、ボディコーティング等車両本体、メーカー&ディーラーオプションを含めると大幅な値上げとなっている。軽自動車でも200万円、コンパクトカーはハイブリッドモデルで300万円突破なんていうケースも珍しくない。
これだと、誰でもすぐに買えるというわけにはいかない。商談に時間がかかり、売るペースがダウンすることになる。安全対策パッケージは小型車でも最低10~15万円、軽自動車は5~7万円、最新デバイスをプラスすると20万円は軽く超えてしまう。ナビ、ETC、ドライブレコーダー、コーティングなどをつけると合計50万円はかかる。ナビは便利だし、ある面では走行安全の手助けになり、装着は欠かせない。ドライブレコーダーは煽り運転対策には必須のアイテムになっている。
最近、コンパクトカーや小型車でフルモデルチェンジする新型車を見ると、従来モデルに比べて10万円程度のアップになっているケースが目に付く。メーカーや傘下ディーラーは支払方法に工夫をしている。
通常ローンの他、残価設定クレジットなどが普及している。金利を引き下げることで毎月の支払額を少なくしている。最近の利用率は通常ローンよりも残価設定クレジットの方が多く、購入方法全体の半分を超えている。それでも金利分を支払うわけだから、総額は現金よりも20万円以上は多くなる。こちらも実質的な負担増で新車購入をためらう要因になっている。
遠藤徹プロフィール
専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊