メルセデス・ベンツ日本は、世界初の燃料電池プラグインハイブリッド自動車「GLC F-CELL」を発表した。なお、納車は2020年中頃を予定している。
「GLC F-CELL」は、水素を燃料にして発電し、その電気を動力とする燃料電池自動車でありながら、プラグを介して充電したり、回生ブレーキにより発電した電気をリチウムイオンバッテリーに蓄電し、その電気を動力とすることもできる、世界初の燃料電池プラグインハイブリッド乗用車。このモデルは、先進的技術への関心が特に高く、かつ水素ステーション網が整備されている、ヨーロッパと日本でのみ販売される予定となっている。
【水素のみでの航続距離336kmを達成したパワートレインを搭載】
「GLC F-CELL」は、リアシート下部と、センタートンネル部に合計約4.4kgの水素を充填することができる水素タンクが配置され、水素のみでの航続距離336kmを達成しており、世界標準となる700気圧タンクを採用し、水素補給時間はわずか3分と、ガソリン自動車の給油時間とほぼ同程度となる。 また、プラグを介して6.0kWまでの交流普通充電を利用したり、回生ブレーキにより発電した電気を車体後部に搭載される13.5kWhのリチウムイオンの高電圧バッテリーに充電することが可能となっており、これらの電源から供給される電力により、最高出力200PS(147kW)、最大トルク350N・mを発生するモーターを回転させ、動力を得る。
2つの電源を持つことにより、加速の最初期は高電圧バッテリーに充電された電気を使用し、その後、燃料電池で発電された電気を主に使用するなど、それぞれの特性を理想的に 活用することが可能となる。また、日常の短距離走行は水素を使用せず、充電された高電圧バッテリーの電気で電気自動車として使用したり、水素が不足した場合でも水素ステーションまで充電された電気で走行したりするなど、燃料電池自動車の実用性を向上することが可能となっている。
【3つのドライブモードと4つのシステムモードを搭載】
「GLC F-CELL」は、特性の異なるさまざまなドライブモードを備えることで、電力消費率や、快適性、アジリティなどを変化させることが可能で、搭載されているドライブモードは以下の3つとなる。
- コンフォート:デフォルトのモード。快適性を重視するとともに、理想的なクライメートコントロールを実現するモード。
- エコ:効率重視で電力消費率を抑えるモード。
- スポーツ:スポーティな走りに最適化したモード。
また、4つのシステムモードは、燃料電池と高電圧バッテリーの連携関係を調整するものとなる。
- ハイブリッド : 燃料電池と高電圧バッテリーの両方を電源として使用する。加速の最初期は高電圧バッテリーに充電された電気を使用し、 その後、燃料電池で発電された電気を主に使用するなど、それぞれの特性を理想的に活用することが可能となる。
- F-CELL : 燃料電池を電源として使用し、高電圧バッテリーの充電状態を 一定に保つ。特定の走行条件に備えてバッテリーを満充電 しておくには、水素のみで走行するのが理想。
- バッテリー : 高電圧バッテリーを電源とする100%EV走行を行い、燃料電池は使用しない。短距離走行に最適なモード。
- チャージ : 高電圧バッテリーの充電が優先される。(水素補給の前に バッテリー充電を行って総航続距離を延ばす場合など。)
【各所にブルーのアクセントが入った燃料電池車であることが一目で分かるエクステリアデザイン】
エクステリアでは、EQブランドを象徴するブルーのアクセントがフロントグリル、サイドスカート、リアバンパーに採用されているほか、サイドには「F-CELL」のロゴが入ったブルーのデカールが装着され、燃料電池自動車であることが一目で分かるようになっている。アルミホイールは、EQCにも採用されているブルーのアクセントが入り、空気抵抗の低減にも寄与する20インチ10スポークアルミホイール(ブルーアクセント)が装着されている。さらに、フロントバンパーは、クリーンなイメージの専用デザインとなっており、GLCの中での差別化も図られている。
【法的要件よりさらに厳しい社内基準でテストを実施したパッシブセーフティ】
安全基準は内燃機関を搭載する車両と同じく、法的要件よりさらに厳格なメルセデス・ベンツの社内基準に沿っており、特に衝突に関わる要件は、「現実に即した安全性」の基本思想に基づくものとなっている。通常のテストをはるかに超える、システムレベルにおける追加のコンポーネントテストを実施している。
【テレマティクスサービス「Mercedes me connect」を標準装備】
、「GLC F-CELL」では、自動車が通信することにより、カスタマーの利便性を向上する先進的なテレマティクスサービス「Mercedes me connect」は、「24時間緊急通報サービス」などを車両の保有期間を通じて無償で提供する「安心安全サービス」、Send2Carなどを3年間無償で提供する「快適サービス」、メルセデス・ベンツ 24時間コンシェルジュサービスを1年間無償で提供する「おもてなしサービス」の3つのサービスカテゴリーから構成される。
◆「安心安全サービス」
- 24時間緊急通報サービス:事故検知時(エアバッグ、シートベルトテンショナー 展開時)または車内にあるSOSボタン押下時に、コールセンターが消防に連絡する。
- 24時間故障通報サービス:ツーリングサポートが必要な際に、meボタンを 押下するとツーリングサポートセンターにつながる。
◆「快適サービス」
- リモートドアロック&アンロック:スマートフォンの操作で車両ドアのロック、 アンロックができる。
- リモート(車両)ステータス確認:車両の走行距離、平均燃費等の状態をアプリ等で確認できる。
- 駐車位置検索:駐車した車両の位置をアプリの地図上に表示する。
- Send2Car: スマートフォンから、ナビゲ―ションの目的地を遠隔設定できる。
- リモートセットアップ: プリエントリークライメートコントロールの遠隔設定や、充電状況がアプリ等で確認可能。
◆「おもてなしサービス」
- メルセデス・ベンツ 24時間コンシェルジュサービス:車内から専用ボタンを押すだけで専門のオペレーターが24時間365日対応する。
- 車載された通信モジュールを利用し、ナビゲーションの目的地を設定
- レストランやホテル等の検索・予約サポート*3
- メルセデス・ベンツ正規販売店の検索・ご案内
- 緊急時の病院の案内 など
なお、「GLC F-CELL」には、新車購入から4年間または150,000kmのいずれか早い方まで、一般保証修理/定期メンテナンス(点検整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポート/地図データ更新が無償で提供される保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用されるほか、メルセデス・ケア期間中には、希望のモデルを4回無料で利用できる週末貸出サービス「シェアカー・プラス」も利用することが可能となっている。
<価格(消費税込)>
1,050万円