住友ゴムは、従来のポリマーとは全く異なる「水素添加ポリマー」を用い、ウエットグリップ性能の低下をほぼ半減したDUNLOPのフラッグシップ低燃費タイヤ「エナセーブ NEXTⅢ」を12月1日から発売する。発売サイズは1サイズで、希望小売価格は25,100円(税別)。さらに、「エナセーブ NEXTⅢ」にはバイオマス素材であるセルロースナノファイバーを世界で初めてタイヤに採用しており、低炭素社会の実現にも貢献する。
近年、MaaS(Mobility as a Service)の発展により、カーシェアリング、ライドシェアなど、車の所有から使用への転換が進む中、タイヤに求められる性能も変革を遂げている。住友ゴムは、「SMART TYRE CONCEPT」を掲げており、タイヤの摩耗、経年による性能低下を抑制し、新品時の性能を長く持続させる「性能持続技術」や、商品ライフサイクル全体で環境性能を高めて循環型社会の実現に寄与する「ライフサイクルアセスメント(LCA)」を採り入れた商品開発を推進している。
今回発売する「エナセーブ NEXTⅢ」は、「SMART TYRE CONCEPT」の主要技術を採用した第一弾商品で、独自のAI技術「Tyre Leap AI Analysis」と新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を駆使し、タイヤの摩耗や経年による性能低下のメカニズムを分子レベルで解明した。また、これまでタイヤに用いていたポリマーとは全く異なる「水素添加ポリマー」を用いたことで、ウエットグリップ性能の低下を従来と比べてほぼ半減させる「性能持続技術」のコンセプトを取り入れている。さらに、高機能バイオマス材料であり国が重点産業として推進している素材・セルロースナノファイバーを世界で初めてタイヤに採用し、「LCA」の観点から環境負荷低減にも貢献する。
「Tyre Leap AI Analysis」とは、タイヤの原材料情報に加えて、ゴム内部の構造情報である高度分析データのリアルな情報から高精度なゴム物性推定や、使用前後の構造変化の検知によって使用後のゴム物性推定などに応用できるAI技術のことで、「ADVANCED 4D NANO DESIGN」とは、ナノからミクロンレベルまでゴムの内部構造を連続的かつ鮮明に解析し、シミュレーションすることを可能とする技術のこと。