トヨタ、新型ヤリスを世界初公開

新車情報

10月16日、トヨタはコンパクト・ハッチバック「ヤリス」を世界初公開した。

ヤリスは、これまで日本では「ヴィッツ」として販売されていたモデル。今回のフルモデルチェンジを機に車名を海外名と統一し、新たに「ヤリス」として販売される。

新型ヤリスの日本での発売は2020年2月中旬を予定。競合となるホンダのフィットもほぼ同タイミングでのフルモデルチェンジを予定しており、コンパクトカー市場が大いに盛り上がりそうだ。

なおヤリスは東京モーターショー期間中、お台場のヴィーナスフォートに展示されるほか、10月末から12月にかけて全国で展示される予定となっている。

新型ヤリス

・プラットフォーム、エンジン等、すべてを一新

さて新型ヤリスは、走りの良さを追求しているのが大きなポイント。まず基本となるプラットフォームは、新開発のコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)を初採用し、軽量かつ高剛性、低重心なボディを開発。従来型に比べ車両重量を50kg軽量化、ねじり剛性を30%以上強化、重心高を15mm下げ、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を両立しているという。

パワートレーンは、ガソリンとハイブリッドを搭載。ガソリンエンジンは従来の1.3Lは廃止し、新開発の「直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン(M15A)」と、「直列3気筒1Lエンジン」を搭載。1Lエンジンは従来と同じ「1KR」エンジンだが、高タンブル流や高EGR(排気循環)率、フリクション低減などの改良が施されているという。

なおトランスミッションは、1.5Lエンジンには新開発の発進用ギヤ付ダイレクトシフトCVTを搭載。低速域の伝達効率を大幅に改善し、アクセル操作に応じたダイレクトでスムーズな走りと優れた燃費性能を実現するという。また1.5L車のFF車には、この新開発CVTの他に、6速MTも用意されている。

1Lエンジンには新開発の専用CVTを採用。従来型より小型軽量化し、燃費性能の向上が図られている。

一方ハイブリッド車は、直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン+モーターを組み合わせた新世代の1.5Lハイブリッドシステムを搭載。システム全体の高効率化とハイブリッドシステム専用のエンジン設計、その他すべてのハイブリッドユニットも新開発することにより、ハイブリッド車として世界最高レベルの燃費を実現、さらに加速性能も向上し、燃費と走りを両立させるという。またハイブリッド車には、トヨタのコンパクトカーとして初めてE-Four(電気式4WD)が設定されるのも大きなポイントだ。

新開発のTNGAプラットフォーム(GA-B)を採用
1.5L ダイナミックフォースエンジン

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式、リヤはFF車と4WD車で異なり、FF車はトーションビーム式、4WD車は2リンク・ダブルウィッシュボーン式を採用している。

 

・アクティブな走りを予感させるスタイル

エクステリアは、スポーティ感のあるアグレッシブなデザイン。フロントは、シャープな印象のヘッドランプで精悍な顔つきを表現し、リヤは一体的に造形したウィンドウとコンビネーションランプが新しい3次元的なグラフィックとなり、個性的な後姿となっている。

インテリアは、ムダをそぎ落として広さと快適さを確保し、運転に集中できる空間を表現。インパネ断面を薄くし、ワイドな印象を与えたほか、ステアリングホイールを小径化することで、室内をより広く、スポーティーな印象としている。

また、メーターにはトヨタ初となるトヨタ初となる、フードレス双眼デジタルTFTメーターを採用するなど、上質感も演出されている。

フロントから見たヤリス。なかなか精悍な顔つきだ
力を凝縮したようなサイドビュー
リヤのデザインは好き嫌いが分かれそうだ
インパネ周りは立体的な構成
後席スペースはあまり広くない

・充実した先進機能を搭載

先進安全・運転支援機能では、まず、最新の予防安全パッケージ「トヨタ・セーフティ・センス」を標準装備。歩行者検知(昼間・夜間)や自転車検知(昼間)はもちろん、トヨタ初として、右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知対象とし、交差点事故への対応範囲を拡大している。

また、低速時の事故予防をサポートする「低速時加速抑制」機能もトヨタでは初めて追加している。

その他、前方車両の追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール」、レーダークルーズコントロール使用時に、同一車線中央を走行するよう操舵を支援する「レーントレーシングアシスト(LTA)」、ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム(AHB)」、道路標識をディスプレイに表示する「ロードサインアシスト(RSA)」などの機能も搭載している。

またトヨタ初の機能として、高度駐車支援システム「アドバンスド・パーク」も搭載。これはハンドル、アクセル、ブレーキを制御し、駐車に必要な操作を支援するもの。カメラと超音波センサーで周辺を監視し、万一の場合は警報とブレーキ制御で接触回避を支援する。さらに事前に駐車位置を登録しておけば、白線のない駐車場でも使用でき、これは世界初だという。

一方、シートも工夫され、トヨタ初として「イージーリターンシート」、「ターンチルトシート」が設定される。

「イージーリターンシート」は、好みのドライビングポジションを記憶させ、マニュアル操作で前回の位置に復帰さすることができるというもの。小柄な人など、降りる際にシートを後ろに下げ、乗りこむときにシート位置を再調整する必要がある人に便利な機能だ。

「ターンチルトシート」は、運転席と助手席のシートが回転&チルトし、楽に乗降できるもの。スカートや和服での乗り降りや、筋力が低下した人の乗り降りをサポートしてくれる。

このほか、コネクティッドサービスでは、新型カローラから搭載を開始したディスプレイオーディオ(DA)およびDCMを、新型ヤリスでも全車に標準装備。スマートフォンと連携できるほか、従来通りのカーナビ機能が利用できるエントリーナビキット、T-Connectナビキットを選択することが出来る。

ハイブリッド車にはアクセサリーコンセント(1500W)をオプションで設定している

 

・グレード構成

1L車はベーシックな「X」と上級の「G」を用意。「X」には「Mパッケージ」も設定されている。駆動方式は2WD(FF)のみ。1.5L車は下から「X」、「G」、「Z」の3グレードを設定。3グレードともCVTと6MTが選択できるが、4WDはCVT車のみ選択できる。ハイブリッド車も1.5Lと同じ「X」「G」「Z」の3グレード。こちらは3グレードとも2WDと4WD(E-Four)を選択できる。

ボディカラーは、モノトーンが12色、2トーンが6タイプの全18タイプが用意されている。

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