トヨタは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)で使用されるAutono-MaaS専用EV「e-Palette(東京2020オリンピック・パラリンピック仕様、以下、東京2020仕様)」の詳細を公表した。「e-Palette」は、10月24日(木)から11月4日(月・休)までの12日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)を中心に、「OPEN FUTURE」をテーマとして開催される「第46回東京モーターショー2019」のトヨタブースに出展される。
2018年1月に、トヨタは、自動車会社から人々の様々な移動を支えるモビリティ・カンパニーへの変革を宣言するとともに、その象徴として電動化、コネクティッド、自動運転技術を活用した「e-Palette Concept」を発表した。人々の暮らしを支える新たなモビリティサービスの創出に貢献すべく、将来は様々なサービスに対応する新たなモビリティとなることを目指していると述べている。また、オリンピック及びパラリンピックのワールドワイドモビリティパートナーとして、様々なモビリティソリューションを通じて「“Mobility for All”(すべての人に移動の自由を)」提供することにチャレンジしており、東京2020大会では、トヨタ初のAutono-MaaS専用EVとして「e-Palette(東京2020仕様)」を十数台提供し、選手村内を巡回するバスとして選手や大会関係者の移動をサポートする。
「e-Palette(東京2020仕様)」の開発責任者である牟田隆宏氏は、「e-Palette(東京2020仕様)は、“Move” for All(すべての人に移動と感動を)をコンセプトに、あらゆる人に『移動』(“Move”)の自由を提供でき、移動を通じて心までも動かし『感動』(“Move”)を生むモビリティを目指しました。開発にあたっては、オリンピック・パラリンピックそれぞれの選手に過去大会の選手村内での生活の様子を伺い、もっと手軽で便利、そして快適なモビリティが求められていると感じ、車両の様々な仕様に反映させてまいりました。e-Palette(東京2020仕様)による選手に寄り添った移動サービスの提供を通じて、東京2020大会の成功に貢献したいと考えています」と語った。
【「e-Palette(東京2020仕様)」車両概要】
◆快適な移動を実現するデザイン
- 前後対称の箱型デザインを採用し、タイヤを四隅に配置することで、広い室内空間を確保。
- 身長に関係なく使いやすい手すりやシート、色弱者の方にも配慮し色の明度差をつけた床・内装トリム・シートなど、“Mobility for All”の体現を目指した。
◆スムースな乗降を追及したパッケージ
- 大開口スライドドア、低床フロア、電動スロープ、停留所への正着制御の採用により車椅子ユーザーを含めた複数人のスムースな乗降を実現。
- ロングホイールベース、フラットフロアにより、最大4名の車椅子ユーザーの乗車を可能とした。
◆周囲や乗員の安全に配慮した低速自動運転
- トヨタの車両制御プラットフォームに専用開発の自動運転システム(自動運転制御ハードウェアおよびソフトウェア、カメラやLiDARなどのセンサー)を搭載し、高精度3Dマップと運行管理による低速自動運転を実現(SAEレベル4相当)。
- 周囲360°の障害物を常に検知し、周囲の状況に応じて最適な速度で運行。また、システム異常時には、車両に同乗するオペレーターが安全に車両を停止できる緊急停止ブレーキを装備。
- 自動運転時に歩行者とコミュニケーションができるよう、アイコンタクトのように車両の状況を周りに知らせるフロント及びリアのランプを採用。
◆主要諸元
- 全長/全幅/全高/ホイールベース : 5,255/2,065/2,760/4,000 mm
- 乗員 : 20名(オペレーター1名含む)
車いすの場合 4名+立ち乗り7名 - 航続距離 : 150km程度
- 最高速 : 19km/h