SUPER GT第7戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが、9月22日にスポーツランドSUGO(宮城県)で行われ、予選7位からスタートした#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手 晃平選手/フレデリック・マコヴィッキ選手)が序盤から追い上げのレースを展開し、中盤に首位に立つと、2位に20秒近い大差をつけて完走し、チーム初優勝を果たした。また、予選10位からスタートした#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生選手/ロニー・クインタレッリ選手)が3位となり、NISSAN GT-R NISMO GT500が1-3フィニッシュを飾った。
決勝日のスポーツランドSUGOは小雨から、グリッドウォークが終わる頃には雨粒も大きくなり、コースコンディションはタイヤ選択に悩む状況となり、#3 GT-R、#23 GT-Rと#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木 大樹選手/ジェームス・ロシター選手)は、ウェットタイヤでのスタートを選択。#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星 明誠選手/ヤン・マーデンボロー選手)は、スリックタイヤを選択した。
決勝レースは、セーフティカー(SC)先導のもとでスタートし、4周目に実質のスタートが切られると、スリックタイヤを履いていたライバル勢が大きく後退し、この周で#3 GT-Rは5位に、#23 GT-Rは7位にポジションアップした。#3 GT-Rのスタートドライバーを務めた平手選手は、さらに8周目に3位に浮上。2位と4位とはギャップが開いていたことから単独3位で周回を重ねた。#23 GT-Rのスタートドライバーはクインタレッリ選手で、4周目以降もペース良く走行し、8周目に5位、12周目には4位にポジションアップした。2台のGT-Rは3位、4位をキープしてレース中盤まで周回。#23 GT-Rは31周を終えてピット作業に向かい、タイヤ交換とガソリン補給を済ませ、松田選手にドライバー交代してコースに復帰した。#3 GT-Rは34周を終えてピットイン。こちらもタイヤ交換とガソリン補給を行い、マコヴィッキ選手に交代した。
上記の時点では、タイヤ無交換の作戦を採っていたライバル勢が先行しており、36周目には、前方のトラフィックに詰まったマコヴィッキ選手は松田選手にかわされ、順位が逆転した。37周目に#12 GT-Rが1コーナー先でコースアウトしたことによりセーフティーカーが導入され、これにより、44周目のリスタートでマコヴィッキ選手が松田選手をかわし、ポジションを奪い返した。先頭を走っていたマシンはルーティンのピット作業に向かったため、この時点で#3 GT-Rは4位、#23 GT-Rは5位となり、さらにマコヴィッキ選手は、前を走る#6 LC500を1コーナーでパスし、#23 GT-Rも続いて最終コーナーで#6 LC500をかわしポジションアップした。#3 GT-Rはさらに2台を、2周立て続けに1コーナーでかわして54周目でトップとなった。
雨も激しさを増す中、マコヴィッキ選手は他のマシンよりも1~2秒速いラップタイムを連発し、最終ラップまでペースも安定したまま、トップチェッカーを受けた。NISSAN GT-R NISMO GT500の今シーズン初優勝で、NDDP RACINGとしてはGT500での初優勝となった。#3 GT-Rに続いていた#23 GT-Rは、51周目に1台にかわされ3位でチェッカーを受け、今季4度目の表彰台を獲得。タイトル獲得の可能性を最終戦につなげた。
#12 GT-Rはスタートドライバーのロシター選手から佐々木選手へとつないだが、37周目にコースアウト。その後レースに復帰し、5周遅れの14位となった。#24 GT-Rは10周目にウェットタイヤに交換し、29周目にはドライバーを交代。この後もタイヤ交換を行ったため、15位となった。
平手 晃平選手(#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R /優勝)は、「非常に嬉しいです。今シーズンから日産に移籍して、ここまで速さはあるものの結果につなげられないレースが続いていました。チーム、ミシュランタイヤ、NISMO、みんなが、なんとかここで表彰台を…という気持ちでSUGOに臨みましたが、結果、素晴らしい形で勝つことができました。雨や周囲の状況を見て、自分たちの経験を踏まえてベストなタイヤ選択ができて、いいペースで前を追いかけることができましたし、後半スティントのフレッド(マコヴィッキ)にもいいフィードバックができたと思います。GT-Rにとって今シーズンの初優勝、そしてチームとしてGT500での初優勝となり、とても嬉しく思います」とコメントした。
フレデリック・マコヴィッキ選手(#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R /優勝)は、「最高の気分です。ここまで何戦かクルマの調子は良く、もう少し細かいところまで詰めることができればいい結果を出せる力はあったのですが、GT500クラスのレベルは非常に高く、なかなか表彰台に上がることができませんでした。今日は細かいところまで完璧で、パーフェクトなレースでした。セーフティカーが入ってギャップがなくなり、タイヤが冷えた状態でのリスタートとなりましたが、それをうまく利用して前に出ることができました。タフな状況の中で、実力を出し切れましたね。最終戦もいい形で戦いたいです」と語った。