高齢になると、クルマの乗り降りの姿勢や身体の動きが辛くなり、クルマでの外出さえ億劫に感じてしまうこともある。もっと楽に乗り降りできれば、もっと外出できるのに…。最近では、こうした“乗り降りの辛さ”を解決できるクルマや装備も用意されている。今回は登場したばかりの新型車2モデルに設定された福祉車両をクローズアップしてみよう。
■ダイハツ・タント ウェルカムターンシート
今年7月にフルモデルチェンジしたダイハツ・タントには、新たに福祉車両「ウェルカムターンシート」が設定された。このモデルは、助手席が約30度向きを変えることができ(助手席ターンシート)、向きが変わるとAピラーに取り付けた手すり(ラクスマグリップ〈助手席〉)を握りやすくなる。シートの向きを変え、乗員は手すりを握ってしっかりと自身の体を支えながら乗り降りすることができる。乗り込む場合も、シートが車外の方を向いているので腰かけやすくなっている。
さらに、足元には助手席側のドア開閉と連動して自動的に展開・格納されるステップ(ミラクルオートステップ)がディーラーオプションで用意され、乗員の手元と足元をしっかりと支えることで安心して乗り降りができる。
このラクスマグリップは助手席用のほか、運転席シートバック用、助手席シートバック用が用意されており、乗り降りだけでなく車内の移動もしやすくなる。ラクスマグリップは福祉車両に限らず、標準車向けにもディーラーオプションで設定されている(助手席用はメーカーオプション)。同様に、ミラクルオートステップもディーラーオプションとして標準車にも装着できる。
【希望小売価格(消費税は非課税)】L(2WD)=139万円▽X(2WD)=153万5000円▽X(4WD)=180万5000円
■日産・セレナ ステップタイプ
8月1日にマイナーチェンジしたばかりの人気ミニバン、日産・セレナには、日産自動車の関連会社であるオーテックジャパンが架装したコンプリートカー、セレナ ステップタイプが発売されている。
このモデルは、助手席と助手席スライドドアから乗降する乗員が同時に使えるロングステップを装備。助手席ドアもしくは助手席側スライドドアの開閉と連動して、ステップは自動的に展開・格納される。また、ステップまわりにはイルミネーションが施され、暗い場所でも安心して乗り降りできるほか、LEDの輝きがドレスアップにもなる。
この他Aピラー、助手席シートバック、スライドドア助手席側後ろの各部に取り付けるグリップがメーカーオプション/オーテックディーラーオプションで用意されており、さらに快適な乗り降りを提供してくれる。
【希望小売価格】2WD=292万1400円~369万6840円▽4WD=313万3080円~339万4440円