ダイハツは7月9日、スーパーハイトワゴン軽乗用車「タント」をフルモデルチェンジして発売した。4代目となる新型タントは、ダイハツ新世代のクルマづくり「DNGA」の採用第1弾モデルとして、パワートレーンやプラットフォームなどを新開発し、走行性能が大きく向上。また室内空間の広さを活かした使い勝手にも磨きをかけるとともに、充実した先進安全装備を採用し、全方位で大きく進化を果たした。
■新開発プラットフォームによる高い基本性能
ボディは曲げ剛性を約30%高め、ハイテン材の活用や構造合理化により、全体で約40㎏の軽量化を実現。さらに、操縦安定性、乗り心地性能を最大限に引き出すため、サスペンションアレンジを最優先で設計したうえでボディ骨格を最適配置し、衝突安全性やボディ強度も大幅に向上させた。
NAとターボの2種類が用意されたエンジンも大幅改良。日本初となるマルチスパーク(複数回点火)の採用や燃料噴射方法の改良で、燃焼効率を向上。NA車では、軽初となる平成30年排ガス基準75%低減レベルを達成した。
トランスミッションは全車CVTで、世界初のスプリットギヤを組み込む「D-CVT」を開発した。従来のベルト駆動に加え、より伝達効率に優れる「ベルト+ギヤ駆動」を可能とした。これにより、変速比幅をロー/ハイ側とも広がり、加速度を約15%向上させ、低速域でのパワフルでスムーズな加速と、高速域での低燃費で静かな走りを両立した。
■革新的なパッケージ
タントの代名詞ともいえる助手席側ピラーレス機構を継承しながら、最大540mmスライド可能な「運転席ロングスライドシート」を世界初採用。これにより、運転席と後席間の移動や、助手席側ドアから運転席への乗り降りも可能になり、ウォークスルーの動線が増え利便性を大きく高めた。
加えて、半ドア時の閉め直しを不要とする「助手席イージークローザー」、ドアロックを事前予約できる「タッチ&ゴーロック機能」、開錠操作をすることなくパワースライドドアが自動で開く「ウェルカムオープン機能」を軽で初採用。多彩で簡単なシートアレンジなどと合わせて、使い勝手や快適性を高める機能が数多く装備された。
また、デザインは先代と同じく、幅広い層に親しまれるスタイリングの「タント」と、クラスを超えた上質な雰囲気を漂わせる「カスタム」という二つの個性を継承した。
■15機能を持つ予防安全・運転支援
先進安全装備は、搭載する世界最小サイズのステレオカメラを最大限活用するため、独自の制御ロジックにより機能を進化。いずれも軽初となる対向車の部分のみハイビームを自動遮光する「ADB」、自動ステアリングアシストで並列・縦列駐車を支援する「スマートパノラマパーキングアシスト」をはじめ、誤操作による急発進を抑制する「ブレーキ制御付誤発進抑制(前・後方)」、ステアリングが同一車線維持をサポートする「車線逸脱抑制制御」、「全車速追従機能付きACC」など、全15機能に及ぶ予防安全・運転支援機能が採用されている。
【価格】
タント=122万400円~168万4800円
カスタム=154万9800円~187万3800円