2018年5月にスパフランコルシャン(ベルギー)で開幕し、今月のル・マン24時間(フランス)で最終戦を迎えた、WECの2018~2019スーパーシーズン。年をまたぐ長い戦いを終えたトヨタガズーレーシングから、中嶋一貴と小林可夢偉の両ドライバーが6月19日、トヨタ自動車東京本社で報告会と〝社員向け〟報告会を行った。
日本人初のWEC王者となった中嶋は「ル・マン優勝とワールドチャンピオンが目標であり、それを達成できてよかった。来季もしっかりやってよい形を残したい」とシーズンを振り返った。王者となっても「チャレンジャーとしての気持ちを忘れずにやっていきたい」と気を引き締めた。
一方、可夢偉は「ル・マンは残り1時間まで、僕らのレースだった。今後はどのようにトラブルシューティングにリクエストしていけるか。それも踏まえてのチーム力だと思うので、チームと一緒にさらに強いチーム作りを目指したい」と、悔しさをにじませつつも、来季以降に目を向けた。
ル・マン24時間レースを主催するACOと、FIAは2020年以降の新ルールを発表。参戦車両が現状から大きく変わり、いち早くトヨタは参戦を表明。同時に、イギリスの伝統的スポーツカーメーカー、アストンマーティンも参戦を表明。戦いの様相が一転する。
これに関しトヨタ自動車・GRパワートレーン推進部の加地雅哉部長は「将来にわたり多くのスーパースポーツカーメーカーとの勝負になる。新たな挑戦をうれしく思うとももに、開発を加速させたい。新しいライバルを迎え撃つ、常に挑戦者の気持ちで参戦を続けたい」と、新しい戦いへの決意を語った。