日本自動車輸入組合(JAIA)の上野金太郎理事長は1月21日、定例の記者会見を行い本年の輸入車新車販売見通しについて、消費税増税はあるものの、新しい買い方や乗り方が浸透しつつあり、昨年並みもしくは前年越えの台数になることに期待を寄せた。(トップ写真:会見を行うJAIA・上野金太郎理事長)
昨年の輸入車新車販売実績は、外国メーカー4輪車が30万9405台(対前年比1・1%増)と、過去2位の高水準だった一昨年を上回り、史上2位の好実績となった。
また、日本メーカー車を含めた輸入車全体では36万6266台(同4・3%増)とこちらも好調。さらに、外国メーカー乗用車のみの台数は30万8389台と、過去最高の販売台数を記録した。
昨年の好調の背景として、各社が24時間緊急通報や様々なデジタル化を進め、ユーザーの安心感や利便性を高める仕組みを導入したこと。さらに、リモート駐車支援やオペレーター対話式のサポートサービス等〝コネクティッド技術〟の積極的な投入、幅広い先進安全技術搭載車の多数導入、PHVやEV、クリーンディーゼルなど多彩なパワートレーンによる、新型車ラインアップの拡充などを挙げた。
加えて、各社が月々の支払いを軽減する様々なシステムを設け、購入しやすい環境も整ってきた。輸入車は〝高くて壊れやすい〟という従来からのイメージが払拭され、低金利での支払い方法、購入方法もあり〝乗り方〟も変わりつつある。また、今年は、各社から昨年以上に積極的な新型車投入が予定されており、今年も〝明るい展望〟が開けるというのが理事長の考えだ。
■市場活性化に向けた活動
今年の事業計画は、市場活性化と、安全・環境関連基準等の国際調和を図ることを大きな柱としていく。
市場活性化策ではこれまでも、ユーザーの税負担軽減や簡素化、公平化を求め、自動車関係諸団体と連携した活動を実施。消費増税に伴う自動車税恒久減税、需要平準化対策がユーザーに周知徹底されることに期待しつつ、20年度以降もより簡素で公平な自動車関係税制の実現を目指し、関係諸団体と協力する。
第2の市場活性化策として、東京モーターショー2019に共催団体として参画。さらに、大阪、名古屋、仙台、福岡、札幌で地域モーターショーの開催も予定している。
■国際的相互認証制度の完全実施へ
安全・環境関連基準の国際調和を図る活動として、既に昨年3月から検討中の乗用車ポスト2020年度燃費基準が、輸入車と国産車に公平かつ合理的な基準となるよう積極的に検討に参画する。さらに、電動化車両促進のためのインフラ整備や、消費者へのインセンティブ付与など市場環境整備も求めていく。
自動運転導入に向け、政府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システムと緊密に連携し、第1期大規模実証実験へ輸入車の参加をサポート。第2期実験も輸入車の参加をサポートする。
国際的な相互認証制度、IWVTAが昨年7月に施行された。一方、残された排出ガスや重量車等の日本独自基準、型式指定制度に関する国際的調和づくりに向けた取り組みも始まっており、積極的に取り組む。