家族で行こう! きままにクルマ旅(2017年7月 紙面掲載)
アウディ Q2で巡る 富士市しらす街道

レジャー ドライブ

文・写真:吉田直志(automobile columnist)

このコーナーでは、富士山を望むドライブをテーマにドライブルートをいくつか紹介してきたが、今回は、少し離れたところから富士山を望むルートを巡ることにした。しかし、生憎の悪天候に見舞われてしまい、富士山を拝むことは適わず……。そんなドライブの相棒に選んだのは、アウディからコンパクトなクロスオーバーモデルとしてデビューした「Q2」。富士山は見えずとも、コンパクトならではのスポーティさに満足できるドライブとなった。

富士川周辺のドライブスポットは過去にも紹介しているが、今回は、前回紹介できなかったスポットを中心に紹介しよう。

今回のドライブのテーマは、ずばり少し離れたところから富士山を眺められるドライブルートの紹介。しかし、取材当日は悪天候となってしまい、密にサブテーマに掲げていた生シラスを味わうことをメインテーマへと昇格させ、取材を強行することにした。

生シラスを味わえることで有名な田子の浦漁港では食堂のほか、新鮮な魚介類や加工品を販売する直売所も併設

まず訪れたのは、その生シラスを味わえる「田子の浦漁港」。ご存知のとおり生シラスはその日の天候(海の状況)によって獲れたり、獲れなかったりするもの。しかも、その漁獲量も増減が大きく、獲れたてに出会える確率は高くない。ということから、生シラスに出会うためには開店と同時に訪れることがポイントとなる、そう、食堂が開店する10時30分を目指して出発したのだ。都心から田子の浦漁港までは、東名高速道路・富士IC、もしくは新東名高速道路・新富士ICで降りて、下道を5㎞ほど走ると到着できる。

当日のシラスの水揚げ量によって決まる「田子の浦港 漁協食堂」のメニュー。この日は、大人気のぷりぷり生しらす丼(650円)はお休み。代わりに生しらすに桜えびを加えた日本一丼(1000円)を食す

取材当日は悪天候、さらに数日前から漁場を休ませるために漁に出ない(生シラスは手に入らない)ことが予告されていた(田子の浦漁業協同組合のホームページで確認できる)にもかかわらず、開店と同時に訪れているお客さんもちらほら。もちろん、念願の生シラスには出会えなかったが、冷凍した生シラスを使ったメニューを味わうことができた。ここには、食事処のほか、直売所も併設されており、運が良ければ生シラスを購入することも可能。しかし、生シラスは鮮度が重要であり、もし、手に入れることができたならば、この先のドライブは諦めて、早々に帰宅することをお勧めしたい。

海岸線に作られた「ふじのくに田子の浦みなと公園」。富士山を望むこともできる

田子の浦漁港のそばに、まだ整備途中の「ふじのくに田子の浦みなと公園」がある。海岸沿いに作られたこの公園は、海へと出ることができるだけではなく、富士山を壮大な景色とともに眺めることができるスポット。また、芝生広場や遊具などもあり、のんびりと1日を過ごせる。

「富士川緑地」には、富士川に架けられた東海道新幹線の橋梁があり、すぐそばで新幹線を見ることも可能

続いて向かったのは、以前紹介したことのある富士川の河口に広がる「富士川緑地」。ここへは、田子の浦漁港から始まる通称「富士山しらす街道」を走ることになるのだが、街道沿いにある店舗でも、生シラスを手に入れることができる。富士川緑地は野球場やサッカー場など、スポーツを愉しむ施設が多くあるが、それ以外にも富士川を渡る新幹線を間近に見ることができたり、また、国内最大級といわれる工業用水を送る水管橋を見ることができる。もちろん、晴れた日には富士山を望むことも可能だ。

富士川沿いにあり、東名高速富士川SAとも繋がる「道の駅 富士川楽座」

また、ここも以前に紹介しているが、富士川を少し遡ったところには、東名高速道路・富士川SA(上り)と繋がっている「道の駅 富士川楽座」があり、ここも訪れたいスポットのひとつ。高いところから富士山を望みたいという人には、そこから少し離れたところにある「はたご池」がオススメ。標高367mの山頂から見える富士山はまた格別だ。

標高367mの峰山山頂にある自然湖「はたご池」。ここからも富士山を望むことができる

と、今回は、あそこに富士山があるだろうと、想像してのスポット巡りとなったが、晴れた日には是非、これらスポットを訪れて欲しい。様々な表情の富士山が見え、ドライブがさらに充実度を増す。今回、ドライブに連れ出したアウディQ2は、軽快さをベースにしたスポーティさを愉しめるモデルだった。S-ライン準拠で採用された18インチタイヤとスポーツサスによって、乗り心地に硬さはあるが不快感には届いておらず、それよりシートの設えや豊かなタイヤの接地性から、快適性のほうが強く印象に残った。Q2はクロスオーバーモデルゆえに、最低地上高は170mm(レギュラーモデルは180mm)と控えめだが、それでも富士川の河川敷を走る際には安心感がすこぶる高かったこともお伝えしておきたい。

最低地上高を170mm(レギュラーモデルは180mm)としたクロスオーバーモデル。ボディサイズは全長4205mm、全幅1795mm、全高1520mm

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ドライブデータ

試乗車=アウディ Q2 ファーストエディション
パワーユニット=ガソリン1394ccターボ、FF、7速Sトロニックトランスミッション
乗車定員=5名
全行程走行距離約=約380km

立ち寄りスポット[マップコード]

・田子の浦港 漁協食堂[72 203 279*37]
・ふじのくに田子の浦みなと公園[72 173 795*25]
・富士川緑地[72 137 763*25]
・はたご池[72 308 712*84]

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

(本稿は2017年7月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)

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