日産自動車は7月30日、経営再建計画「Re:Nissan」で推進するグローバルな生産拠点の見直しの一環で、メキシコのシバック工場(クエルナバカ)の車両生産を2025年末に終了し、アグアスカリエンテス工場に移管すると発表した。
同社は今回の統合により、市場の現状に適応し、将来の需要に迅速に対応できるようグローバルな生産体制の強化を図る。
日産が日本国外に設立した初の生産拠点として1966年に操業を開始したシバック工場は、操業開始以降、これまでメキシコ国内の他、世界各地に向けて650万台以上の車両を生産しており、メキシコにおける車両生産の約11%がシバック工場によるものとなっている。シバック工場で生産されているNP300とフロンティア、ヴァーサ、および将来の生産が予定されているモデルは、アグアスカリエンテス工場へ生産を移管。アグアスカリエンテス工場では最先端の設備を活用して生産と物流を効率化し、持続可能な成長につなげるとしている。
「Re:Nissan」で日産は、中国を除くグローバルの生産能力を350万台から250万台に削減し、工場稼働率を100%に維持することを目指しており、グローバルに生産拠点を17から10へ統合する検討を進めている。
またメキシコ日産は「Re:Nissan」のもと、長期的に安定した成長を続けるために今回の統合を進め、次の60年とその先に向けて強固な基盤構築を目指す。
<日産自動車 イヴァン エスピノーサ CEOのコメント>
60年以上にわたり、メキシコ日産はグローバルな日産の主要拠点のひとつとして、メキシコのステークホルダーと強固な信頼関係を築いてきました。本日発表した大きな決断は、決して簡単なものではありませんでしたが、効率を向上し、競争力を強化して、持続可能性をさらに追求していくために必要なものです。私たちはシバック工場で働く従業員の皆さんのこれまでの貢献に深く感謝しています。皆さんの長年にわたる献身的な取り組みがなければ、日産のメキシコでの発展はありませんでした。今後も、従業員やお客さま、日産にとって重要な戦略市場であるメキシコに対する私たちのコミットメントは変わることはありません。