ホンダは3月31日、同社の新事業創出プログラム「IGNITION(イグニッション)」発のスタートアップとして「PathAhead株式会社(パス アヘッド、以下「PathAhead」)」を設立したと発表した。
IGNITIONは、個人の持つ独創的なアイデア・技術・デザインを発掘し、社会課題の解決と新しい価値の創造につなげる新事業創出プログラム。2017年に、従業員を対象に社内新事業を創出するプログラムとして開始し、2020年には、より早い社会実装を実現するために、起業の選択肢を追加。さらに、2023年には対象を社外に拡大し、社外のアイデアとホンダの技術や知見を組み合わせることで革新的な価値創造を目指すプログラムへと進化を遂げた。
PathAheadでは、世界初となる砂漠の砂を活用した人工骨材(舗装などに用いる建設材料)「Rising Sand(ライジング サンド)」を開発。今後は量産技術の確立と実証実験を通じて、アスファルト舗装を行う道路施工現場での施工性・耐久性などを検証した後、2028年にケニア共和国で設立予定の自社工場で量産を開始し、アフリカ地域の建設事業者向けに安定供給する体制の構築を目指すとしている。
近年、アフリカ地域の国々では、急速な人口増加に伴い経済の発展が進む一方で、道路などのインフラ整備が十分に進まず、経済成長の大きな足かせとなっており、現在のアフリカ地域での道路舗装率は約20%と低水準にとどまっている他、舗装済み道路の劣化も進んでいることから、物流コスト上昇などの経済損失につながっている。
また、道路舗装に用いられる骨材は、砂や砕石などの比較的安価な天然資源を原材料としており、産地や地層によって強度にばらつきが生じやすいため、舗装材として必要な品質を安定的に確保しにくいという課題がある。
PathAheadは、現地で調達可能な資源として砂漠の砂に着目し、高い経済性と耐久性を両立した人工骨材「Rising Sand」を開発。Rising Sandは、微細で不揃いな砂漠の砂を、独自の技術で均一に造粒した高硬度の人工骨材で、道路舗装やコンクリート、路盤材などさまざまな用途での活用が可能だという。
PathAheadでは、事業化に向けた最初のステップとして、2027年よりケニアを皮切りに、タンザニア連合共和国、南アフリカ共和国の順で、約3年間にわたり道路舗装に関する実証実験を実施。現地の気候や交通条件を踏まえ、施工性や耐久性、品質の再現性などを検証し、量産に向け、道路舗装の各種要件を満たす仕様の確立を目指す。
また、同実証で得られた結果を踏まえ、2028年にはケニアに設立予定の自社工場にてRising Sandの量産を開始し、現地調達・現地生産による安定供給体制の構築に取り組むと述べている。




