1月9~11日の3日間にわたって開催された“東京オートサロン2026”(幕張メッセ・千葉市)のTOYOTA GAZOO Racing(TGR)ブースでは、昨年のニュルブルクリンク24時間耐久レース挑戦から誕生した特別仕様車「GR Yaris MORIZO RR」(プロトタイプ)や、FIA世界ラリー選手権(WRC)で9度の王者に輝いた、セバスチャン・オジエ選手の個性を反映した特別仕様の「GR Yaris Sébastien Ogier 9x World Champion Edition」(プロトタイプ)の他、2025年12月に世界初公開された「GR GT」(プロトタイプ)と「GR GT3」(プロトタイプ)などの車両を展示。会期2日目にはGR GTおよびGR GT3のデモランも行われ、多くの来場者の注目を集めた。
またTGRのプレスカンファレンスでは、モリゾウこと豊田章男会長が登壇し、「喧嘩三番勝負」をテーマに会場を大いに盛り上げた。今回勃発した喧嘩は、<Round1>チームモリゾウ(GR)vsダイハツ「親子ゲンカ」、<Round2>チームモリゾウ(GR)vs TOYOTA Racing「社内抗争勃発」、<Round3>チームモリゾウ(GR)vs TOYOTA Racing「北米生産カムリ カスタム対決」、以上の3つ。

<チームモリゾウ(GR)vsダイハツ「親子ゲンカ」>
第1ラウンドは、ダイハツとの軽トラ対決。ミッドシップ2シーターの正体とは、ダイハツのハイゼットトラック。ダイハツサイドでは、ダイハツ一筋の星加宏昌 副社長が、技術トップの田中正広くるま開発本部 本部長とタッグを組み、対するモリゾウサイドは、豊田会長の愛車のカスタムを手掛けるプロドライバーの佐々木雅弘選手。それぞれにカスタムを施したハイゼットトラックが披露された。
佐々木選手のカスタムでは、「遊び」をコンセプトに、燃料タンクを高めに設置し、通常見えないメカニカルな部分が見えるようにし、マフラーには豊田会長の愛車であるGRカローラをカスタムした際に、手元に残った純正マフラーを採用。荷台の2座席は「モリゾウさんは人を楽しませるのが大好き。(通常)軽トラは2人しか乗れないので、もっと楽しませる人を増やしたかった」と、こだわりを解説した。
一方ダイハツ側では、田中本部長が「軽トラには『働く』、『遊ぶ』、『助ける』の役割がある」と語り、「万能」をコンセプトに、果樹園などでクルマに乗ったまま収穫できるように、天井は着脱可能とし、荷台に積んだボックスにはスコップなどのツールが収められ、キャタピラ走行による優れた悪路走破性も実現。また、ローモードに切り替えると計算上45度の斜面も走ることができるという。
ダイハツのマスタードライバーにも就任したモリゾウこと豊田会長は、どちらのクルマにも「乗りたい」と語り、「軽(自動車)の可能性を、この2台は提案してくれた。これが日本が誇る軽規格」とコメントした。
<チームモリゾウ(GR)vs TOYOTA Racing「社内抗争勃発」>
TGRは1月7日に設立当初の想いに回帰し、モータースポーツを起点とする「もっといいクルマづくり・人材育成」の強化のため、再び「GAZOO Racing」(GR)へ名称変更することを発表し、また同日、トヨタとTOYOTA RACING GmbHも、欧州の研究開発拠点および子会社である「TOYOTA GAZOO Racing Europe GmbH」(ドイツ・ケルン)を、「TOYOTA RACING GmbH」へ社名変更したことを公表した。
FIA世界耐久選手権(WEC)には、2026年シーズンから「TOYOTA RACING」(TR)で参戦し、25年に発足したTOYOTA GAZOO ROOKIE Racing(TGRR)は、GR、TRが開発した商品や技術をモータースポーツの現場で鍛え、人材育成を進める実践の場として連携。TRはWECやNASCARへの参戦を通じて、エンジンやパワートレーン開発などを担当する。
今回プレスカンファレンスには、TRの会長を務めるのが中嶋副社長が登壇し、「モリゾウを中心にいいクルマをつくりたい連中は社内にたくさんいます。一方で、モリゾウと一緒にやらずにいいクルマだけつくりたいというエンジニアもトヨタにはたくさんいるんです。そいつらを代表しているのが私です。」と語り、「モリゾウの力を借りずにトヨタのエンジニアだけで、必ず今年のルマン24時間で優勝し、トロフィーをここに叩きつける」と宣言。モリゾウGRと袂を分ち、TRを立ち上げるという宣戦布告をした。
<チームモリゾウ(GR)vs TOYOTA Racing「北米生産カムリカスタム対決」>
三番勝負の最後の喧嘩相手もTR中嶋会長。午後のトークセッション登場時には、テロップで“ジャイアーノ”と紹介された。
トヨタは12月、2026年から北米で生産されたカムリを含む3車種の日本市場導入を検討していくことを発表。日本ではSUV人気にセダンが押され気味な状況を受け、豊田会長が「日本もセダン離れとかいろいろなことを言われていますけど、やっぱり若者に、もう一度『かっこいい』と映るようなセダンを提案したい」と提言。
ジャイアーノこと中嶋会長は、昨年ラスベガスであったSEMAショーに参加し、カムリのGTーSコンセプトが若者人気を集めていたのを見て「彼らはSUVしか乗っていない。逆にアメリカではこういうセダンがクールだね、かっこいいねと言われている」と感じていたという。
そんな時に、今回の「北米生産カムリ カスタム対決!」を持ち掛けられ「ぜひやろうじゃないか」と対決が決定。決戦は6月のS耐24時間の現場になるという。

















