2025年日本自動車殿堂「殿堂入り」「歴史遺産車」「イヤー賞」決定

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特定非営利活動法人日本自動車殿堂会長=藤本隆宏(早稲田大学教授/東京大学名誉教授)は、①2025日本自動車殿堂 殿堂者(殿堂入り)、②2025日本自動車殿堂 歴史遺産車、③2025-2026日本自動車殿堂 イヤー賞4賞、以上を決定し11月5日に発表した。

 

①2025ならびに2020 日本自動車殿堂 殿堂者(殿堂入り) 4名

2020年は新型コロナ感染拡大により表彰式典が中止となったため、本年に表彰を実施。

◆鈴木 脩己(すずき おさみ)氏 (株式会社三栄書房 元代表取締役社長、株式会社三栄 取締役 相談役、1940年〜)「自動車文化を読者とともに共創」

鈴木脩己氏は、自動車雑誌出版に長きにわたって携わり、詳細なロードテストにより新型車を客観的に評価。数多くの雑誌を立ち上げ 世界的なイベントを生み出し、日本の自動車文化をファンと共に創り上げる多大に貢献した。

◆岡 並木(おか なみき)氏( 評論家〈比較都市史、人間の移動史〉、朝日新聞社 元編集委員、静岡県立大学 元教授、1926年〜2002年)「交通文化とその新たな価値観の道を拓く」

岡並木氏は、ジャーナリストとして生涯にわたり、自動車交通問題に取り組み、利用者ニーズに立脚した総合交通体系のあり方を提案し、ノンステップバスやコミュニティバスなどを実現。さらに環境・エネルギーの観点から交通体系を提言した。

◆平井 敏彦(ひらい としひこ)氏 ( 初代ロードスター開発責任者、大分大学工学部生産システム工学科元講師、1935年〜2023年)「自動車文化に貢献した初代ロードスターの開発責任者」

平井敏彦氏は、オープンスポーツカーの新たな市場創りにマツダ「ロードスター」を開発・投入し、運転の楽しさやオープンカーの魅力を再び世界に訴え、2人乗り小型オープンスポーツカー世界一の累計生産台数樹立の源流となった。

◆伊藤 修令(いとう ながのり)氏(日産自動車 R32スカイライン開発主管、オーテックジャパン元常務取締役技術本部長、1937年〜)「日本を代表する高性能スポーツカーの礎をつくる」

伊藤修令氏は、名車スカイラインの開発に長年従事し、R32型の開発責任者として伝統あるGT-Rを発展させ、レース活動においても連戦連勝の偉業を成し遂げた。同車はその後日本を代表する高性能車に進化し、世界に高く評価されるに至った。

 

 

②2025日本自動車殿堂 歴史遺産車

◆SUMINOE フライングフェザー(1954年)

フライングフェザーは戦後復興期に設計者富谷龍一氏の「最小の機材と燃料で事足りる自動車を」という思想を具現化。合理的な設計を追求した乗用車として、日本の軽自動車の嚆矢となった歴史的名車。

◆UDトラックス ミンセイ 6TW12(1960年)

ミンセイ6TW12は戦後の経済事情を考慮し開発され、日本初の後輪2軸駆動10.5トン積み大型重トラックで、自社開発の2サイクル ユニフロー・スカベンジングディーゼルエンジンにより、日本の産業発展に貢献した歴史的名車。

◆ダイハツ シャレード(1977年)

ダイハツ シャレードは独自の技術で開発した乗用車で世界初の量産1000㏄4サイクル3気筒エンジンを搭載。十分な室内空間を確保。高い経済性と安全性を実現し、国産大衆車の新たな指針となった歴史的名車。

 

 

③2025-2026日本自動車殿堂 イヤー賞4賞

◆カーオブザイヤー「ホンダ N-ONE e:」および開発グループ

  • 日常生活に安心な軽EVとして十分な航続距離
  • レトロとモダンを融合した優れたデザインイメージ
  • 軽自動車枠ながら安全運転支援機能を充実

 

 

◆インポートカーオブザイヤー「フォルクスワーゲン ID.Buzz」およびインポーター

  • オリジナルワーゲンバスをEVでオマージュ
  • フラットで広い車内空間と多彩なシートアレンジ
  • 多人数が乗車可能なミニバンEV

 

 

◆カーデザインオブザイヤー「ホンダ プレリュード」およびデザイングループ

  • 近未来を感じさせる新スポーティクーペ
  • 低くてシャープなフロントノーズと流麗な造形
  • 広くて実用的な空間と洗練されたインテリアデザイン

 

 

◆カーテクノロジーオブザイヤー「サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ:スバル フォレスター」および開発グループ

  • 世界初のサイクリスト対応エアバッグを実用化
  • エアバッグの展開領域をAピラー後方まで拡大
  • 死亡交通事故ゼロへの取り組みをさらに進化

 

 

<日本自動車殿堂・イヤー賞の選考要領(抜粋)>

①イヤー賞 4賞の選考

当該年度において発表・発売された新型車から「最も優れた乗用車および開発チーム等を表彰する(日本自動車殿堂カーオブザイヤーならびに同カーデザインオブザイヤー、同カーテクノロジーオブザイヤーは国産乗用車から、同インポートカーオブザイヤーは輸入乗用車からそれぞれ選出する)。

②年次の選考対象期間

本年度の新型車の対象期間は、2024年10月16日から2025年10月15日までをその期間とする。

③選考方法

  1. イヤー賞4賞は、それぞれについて評価項目を設け、それに準拠しながら総合的に選考を行なう。
  2.  選考委員は、自動車研究に係る大学教授や研究開発機関の研究者等とし、4賞に延べ65名があたる。
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