日産自動車は8月20日、全固体電池(ASSB)の正極電極のプロセス技術開発に際し、米国のLiCAP社とパートナーシップを締結したことを発表した。
高性能で低コスト・低環境負荷のASSBを実現するためにはドライ電極プロセスの実現が一つのポイントとなり、ドライ電極プロセスは、溶剤を使ったウェット電極プロセスとは異なり、有機溶剤の乾燥・回収が不要で製造コストの低減と環境負荷の低減に大きく貢献する技術。一方でドライ電極プロセスは将来の量産化を視野に入れた際に、特に生産効率が課題となっていた。
今回パートナーシップを締結したLiCAP社は、米国に拠点を置く企業で、先進的な電極製造技術の開発と商業化に取り組んでおり、リチウムイオン電池、固体電池、ナトリウムイオン電池、ウルトラキャパシタなどに向けた高性能で持続可能なソリューションを提供する「Activated Dry Electrode®」という独自のドライ電極プロセス技術を有している。
日産とLiCAP社は今回、正極材の材料開発や性能評価など技術開発を協業することで、ドライ電極プロセスの生産効率の向上を図るとともに、高性能かつコスト効率の高いASSBの実現を目指すとしている。
日産は、2025年1月より全固体電池のパイロット生産ラインの稼働を開始し、2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEVの市場投入を目指して開発を進めている。