日産自動車は7月24日、神戸市と連携し、地域社会における自動運転技術を活用したモビリティサービスの社会実装を目的とした実証実験を26年1月より開始すると発表した。
同実証実験では、神戸市灘五郷エリアを中心に、現行「日産リーフ」をベースとした自動運転車両の運用を実施。同実験を通じて、自動運転モビリティサービスを技術的に検証するとともに、地域住民の声を反映したサービス設計を推進する。
日産は、少子高齢化に伴う公共交通のドライバー不足や地域社会の交通課題を解決し、誰もが自由に移動できる新たな交通サービスの提供を目指しており、その一環として、国内外においてモビリティサービスのビジネスモデル確立に向けた実証実験を推進。
また同社では、2024年2月に「日本国内における自動運転によるモビリティサービスの事業化に向けたロードマップ」を発表しており、今回の取り組みは、2027年度までに自治体において自動運転を活用したモビリティサービスの提供を開始する計画として、横浜市以外の自治体におけるはじめての地域実装を目指す実証となる。
なお、同取り組みは、経済産業省、国土交通省をはじめとした中央官庁ならびに関係自治体と密に連携しながら推進し、また、経済産業省と国土交通省が主催する「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」において、新たな自動運転移動サービスの実現に向けた取り組みを促進する。
<2025年度実証実験概要>
◆実施体制
- 事業主体:神戸市
- 連携パートナー:日産自動車株式会社
◆運行車両(予定)
- 車両名:現行「日産リーフ」
- 乗車定員:5名(運転手含む)
◆対象エリアと選定理由
- 市民のみならず観光客も多く訪れる灘五郷エリアにおいて、自動運転技術を活用した新たな移動体験の推進に取り組む。今後、地域の魅力向上とともに、社会受容性や持続可能性の観点も含め、安全かつ快適な移動手段の提供を目指す
◆今後のスケジュール
- 2025年10月~12月:準備運行/テスト走行による課題洗い出しと対策
- 2026年1月~2月:実証運行・試乗運行/神戸市民の試乗体験も検討中
◆将来的に目指す姿
- 今年度の灘五郷(神戸市内)での実証事業をふまえ、同エリアでの社会実装を実現するとともに、神戸市と日産の連携により、ニュータウンなどの住宅地や地域の生活の足となる地域公共交通として、自動運転技術の導入を目指す