文:岩田 一成(キャンピングカーライフ研究家)
山梨県韮崎市に本社を構える「M.Y.Sミスティック」は、キャブコン、トラキャン、軽キャンパー、キャンピングトレーラーなどを製造販売する総合キャンピングカーメーカー。同社が手がけるオリジナルモデルは、アメリカンクラシックテイスト漂う独創的なスタイルで、唯一無二の存在感を実現しているのが最大の特徴だ。
「東京キャンピングカーショー2023」には、フラッグシップの「アンセイエ」をはじめ、人気の「レジストロ」シリーズやトラキャン「J-キャビンH」など、古き良き時代のデザインとユーザーファーストの最先端技術を融合した、個性派キャンピングカーが勢ぞろいした。
ミスティックが誇るフラッグシップキャブコン
その中からまずは、今年2月の「ジャパンキャンピングカーショー」で鮮烈なデビューを果たした2代目「アンセイエ」を紹介したい。同モデルは、フルモデルチェンジで熟成の域に達した内外装に、同社が長年培ってきたメイド・イン・ジャパンの高い技術力とクルマ好きの琴線に触れる独自のデザイン哲学を結集。他社のキャブコンとは一線を画す、オリジナルスタイルのキャンピングカーに仕上げている。
唯一無二のクラシカルデザイン
アンセイエの最大の特徴は、他のどのキャブコンとも異なる独創的なエクステリアだ。アメリカのヴィンテージモーターホームを彷彿とさせるスタイルは、2014年にグッドデザイン賞を受賞した先代モデルから踏襲されており、ディテールの変更でさらなるブラッシュアップを果たしている。
居住部分のシェルには、アルミフレームを木材の内壁とアルミの外壁で挟み込む「ボディバス工法」を採用し、軽さと強度、デザイン性を高次元でバランス。逆スラントのバンク形状、直線基調のデザイン、アルミサイディング外壁の組み合わせにより、唯一無二のアメリカンクラシックフォルムを作り上げた。
快適性とデザイン性を極めた室内空間
ホワイトの内壁と落ち着きある木目調家具、暖色系LED照明で構成したインテリアは、「古き良き時代のアメリカ」を感じさせる温かみのある空間だ。ダイネットは開放的な「コの字型ソファベッド」とファミリーに最適な「対面シート」の2タイプが用意され、ニーズによって好みのレイアウトを選択できる。
センターにダイネット、キッチン、マルチルーム、リアに常設セミダブルベッドを配した室内は、ファミリーでもストレスなく生活できるゆとりのスペース。天井にスカイルーフウィンドウを装備した大型バンクベッドは、頭上空間に余裕があるため圧迫感がなく、専用コイルスプリングマットレスで寝心地も抜群だ。
最先端のリチウムイオンバッテリーシステム
どこか懐かしさを感じるクラシカルなデザインに加え、快適性をアップグレードする最新鋭の装備も満載されている。リアエンドから室内側に向けて設置された家庭用エアコンも、もちろん標準装備。快適な電化生活を実現するため、428Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーや470Wのソーラー充電システムも標準化されている。
ミスティックのリチウムイオンバッテリーは、1,800個以上の業販実績を誇っており、その安全性と信頼性はお墨付きだ。高品質なバッテリーセルと高精度なBSMを採用したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを蓋付きのスチールケースに収納して、安全性とメンテナンス性を両立。車内でエアコンや電子レンジを安心・安全に使用できる、大容量生活電源システムを構築している。
クラシックなデザインと最先端の技術が融合したアンセイエは、まさにミスティックのこだわりの結晶だ。
【3】トラキャン「J-キャビンH」とキャンピングトレーラー「レジストロ・クコ」
プロフィール
岩田 一成(キャンピングカーライフ研究家/ライター/HOT MIND代表)
1971年東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業・ 8年間の出版社勤務を経て2003年3月に独立。同年4月より、編集工房『HOT MIND』代表として編集業務の請負を開始。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に様々なジャンルの雑誌・ムック製作に携わる。取材・インタビュー経験は3000件以上。座右の銘は、『商人ではなく、常に最前線に立つ職人であれ!』。