三菱ふそうトラック・バス(以下「MFTBC」)は、電気小型トラック「eCanter」をフルモデルチェンジし、全国の三菱ふそう販売会社及び三菱ふそう地域販売部門にて3月9日より受注を開始した。
今回のフルモデルチェンジでは、2020年の先進安全装備拡充を経て、シャシラインアップの大幅な拡大と多様なビジネスケースに対応した航続距離を実現した新型モデルに進化。モーターを後軸に統合したMFTBC独自開発の電動アクスル(eAxle)を採用し、ドライブトレインをコンパクトな構造にすることで従来モデルの1型式からシャシ展開の拡大が可能となり、国内モデルでは合計で28型式のシャシラインアップを展開。
従来モデルの車両総重量(GVW)7.5トンクラスにくわえて、GVW5トンクラスから最大でGVW8トンクラスまで設定され、キャブバリエーションも従来モデルと同等のワイドキャブにくわえて、小回りのきく標準幅キャブ、中型トラック「ファイター」同等のEX拡幅キャブの3種類を展開。ホイールベースも小回りの利くラストワンマイル輸送向けの2,500mmから中型車クラスの4,750mmまで、複数のラインアップを展開している。
また、動力取り出し装置(ePTO)も新たに採用し、ダンプ、キャリアカー、脱着車、リヤクレーン、ゴミ収集車といった架装にも対応するほか、ホイールベースの長さに応じてバッテリーを1個から最大3個まで搭載可能なモジュール式バッテリーを採用し、車種に応じて99kmから最大で324kmまでの航続距離を設定。さらに、エアコン使用や寒冷地での使用によるバッテリー消費を抑える新機能を搭載しているのに加え、発電により強力なブレーキ力を発生する回生ブレーキの制動力を「回生なし」から「強回生」までの4段階に強度を増やすなど、EVトラック独自の機能を強化した。
内外装においては、随所に電気の配線色で多く用いられるキーカラーのオレンジを配色したEVトラックにふさわしいエクステリアデザインを採用しているほか、高い視認性と、ステアリングホイール上のボタンでメニュー操作可能な使い勝手に優れた10インチの液晶メーターを新たに搭載。さらに画面のタッチ操作が可能なセンターディスプレイなど、美しさと使いやすさが融合したモダンな内装デザインを実現している。