日産自動車は12月3日、「STARC燃焼コンセプトを核とした次世代e-POWER用高効率エンジンの燃焼設計と実用化」が、2025年度日本燃焼学会における「技術賞」を受賞したと発表した。
日産独自の電動パワートレインであるe-POWERは、エンジンを発電専用とし、駆動はすべて電気モーターのみで行うシリーズハイブリッドシステム。電気モーターのみで駆動するため、力強くレスポンスの良い加速と高い静粛性が特徴で、より滑らかでEVのような運転性能を実現。
第3世代e-POWERは、5つの主要コンポーネントを一体化した5-in-1電動パワートレインと、発電に特化した専用の新開発1.5リッターターボエンジンを組み合わせ、大幅な燃費性能の向上と高い静粛性を実現した最新のe-POWERで、本年8月に欧州市場に投入された「キャシュカイ」には同パワートレインが搭載されている。
今回受賞した技術は、第3世代e-POWERに搭載された発電特化型エンジン「ZR15DDTe」に採用された技術で、STARC(Strong Tumble and Appropriately streched Robust ignition Channel)コンセプトと呼ぶ日産独自の燃焼技術によって、42%という高い熱効率を達成。
今回の受賞理由では、「長年にわたる燃焼研究で培った技術を基盤として、より高度な燃焼設計を行い量産化したことが、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する技術として、革新性・実用性・社会的意義を備えた技術」が評価されたとしている。
同エンジンが搭載された第3世代e-POWERは、日本市場においては2026年夏の発売を予定している新型「エルグランド」、また北米市場においては2026年中に発売予定の新型「ローグ」への搭載を予定している。


