トヨタ、カローラレビン・スプリンタートレノ(AE86)の4A-GEエンジン部品を復刻、基本設計・スペックは継承しつつ最新技術で現代化

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TOYOTA GAZOO Racingは9月10日、「GRヘリテージパーツプロジェクト」として、1983年5月に発売されたカローラレビン・スプリンタートレノ(AE86)の4A-GEエンジン部品2点の復刻を決定したと発表した。発売は2026年5月頃を予定している。

9月13日・14日の2日間、富士スピードウェイ(静岡県)で開催される“頭文字D 30th Anniversary 2days”において、今回発売を予定しているGRヘリテージパーツと、この部品を組み付けた4A-GEエンジンを搭載し、販売中のGRヘリテージパーツを使ってレストアしたAE86を展示。

会場内のGRヘリテージパーツブースでは、発売予定のGRヘリテージパーツ2点の先行予約の受付を実施。先行予約終了後の受注方法については、順次TOYOTA GAZOO Racing GRヘリテージパーツのWebサイト(https://toyotagazooracing.com/jp/gr/heritage/)にて公開を予定している。

GRヘリテージパーツプロジェクトは、“思い出の詰まった愛車に乗り続けたい”というユーザーの想いに応えるため、既に廃盤となっている補給部品を復刻し、純正部品として再販売する取り組み。現在全8車種、200点以上の部品の復刻、再販売を行っている。

今回復刻生産することを決定した部品は、シリンダーヘッドSUB-ASSY、シリンダーブロックSUB-ASSYの2点で、当時の基本的な設計・スペックはそのままに、最新のシミュレーション技術や工法、材料を取り入れて現代化を図った。

 

◆シリンダーヘッドSUB-ASSY

燃焼室に切削加工を追加し、鋳肌をそのまま残した部分の面積を減らすことで、圧縮比のばらつきから生まれるエンジンごとの個体差を低減。吸気ポートには塗型処理を施し、未加工の状態での表面の凹凸を軽減。オリジナル部品では一部箇所のみで使用されていたカムキャップのノックピンを全箇所に追加することで、組付時の作業性を改善した。

 

 

◆シリンダーブロックSUB-ASSY

シリンダーボアに現代のホーニング処理を施し、ボアの加工精度を向上。材料の鋳鉄は当時と比べてより高剛性のものを使用し、シミュレーションをもとにクランクキャップの構造に変更を加えることで、耐久性を向上した。

 

 

◆ユーザーからの要望を反映した復刻

さまざまなイベント会場でヒアリングしたユーザーからの要望をもとに、シリンダーヘッドSUB-ASSYは吸排気ポートの一部肉厚を増加。また、シリンダーブロックSUB-ASSYでは、AE86だけでなく、FF車にも搭載できるよう、横置き設置用のボスとリブを追加した。

 

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