一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation、以下「TMF」)は7月4日、ブラジルのフォルタレザ市で、周辺部に住む「交通弱者」が手頃な価格で利用できる、財政的・環境的に持続可能な交通手段開発の支援を目指したコンテストをCitinova(フォルタレザ科学技術革新財団)、Labifor(フォルタレザに拠点を置くイノベーション専門の研究所)、WRIブラジル(ワシントンD.C.に本拠地を置く地球環境や都市交通の課題に取り組む非営利団体)と共同で開始したと発表した。
同プロジェクトを通じて、安全を最優先とし、移動時間やコストを削減した利用しやすい交通手段を開発することで、周辺部に住む「交通弱者」である貧困層が、就労や就学などの機会を得られやすくなることで、貧困の連鎖・格差が解消されることを目指している。
フォルタレザ市は、人口400万人のブラジル北東部セアラ州の州都。同市の公共交通機関は、低所得者層にとって経済的負担や利便性の確保の観点からも重要な役害を担っており、近年ではコロナ禍やライドシェア等の交通手段の拡大を背景に需要が減少し、格差の拡大、機会不均衡が顕在化している他、個人所有の車両、バイクの利用の増加により、交通事故、渋滞、環境問題等も増加傾向にある。
上記のような状況のため、バス以外のさまざまな交通手段を統合し、自転車利用やその他の代替移動手段の選択肢を増やすことが検討されている状況を踏まえ、同コンテストでは、市の周辺部(グランデ・シケイラ地区)を対象に、市中央部へのアクセスの改善、交通事故率の低減に向けた施策を提案するイノベーターを募集する。
<募集概要>
- 基幹:2025年6月30日~7月27日 ※2025年8月上旬 イノベーター最終決定・発表
- 助成総額:250,000米ドル
- ホームページ:http://mobilidadecidada.org (ポルトガル語のみ)