三菱自動車の欧州事業統括会社であるミツビシ・モーターズ・ヨーロッパ・ビー・ブイは7月2日、欧州市場向けの新型コンパクトSUV「グランディス」を世界初公開した。なお同モデルは、スペインのルノー社バリャドリード工場で生産され、2025年内より欧州で順次販売開始を予定している。
新型グランディスは、2023年に欧州で販売を開始したコンパクトSUV「ASX」、コンパクトハッチバック「コルト」に続いて、アライアンスパートナーであるルノーよりOEM供給を受けるCMF-Bプラットフォームを採用した、広々とした利便性の高い室内空間をコンセプトとしたコンパクトSUV。
グランディスの車名としては13年ぶりの欧州市場投入となり、ラテン語で「大きい」「雄大な」という意味に由来し、広々とした室内空間と力強いエクステリアデザインを象徴している。
<MHEVとHEVの2種類のパワートレーンを設定>
パワートレーンには、マイルドハイブリッド(以下「MHEV」)モデルとハイブリッドEV(以下「HEV」)モデルの2車種をラインアップ。
1.3リッター直噴ガソリンターボエンジンを搭載したMHEVモデルは、6速マニュアルトランスミッション仕様と、7速デュアルクラッチオートマチックトランスミッション(7DCT)仕様から選択でき、エンジンはいずれも最高出力103kWを発揮。
HEVモデルでは、最高出力80kWの1.8リッター自然吸気4気筒ガソリンエンジンに36kWの駆動用と15kWの発電用の2つのモーター、2つのインバーターとコンバーターを内蔵したパワーエレクトロニクスボックス、1.4kWhの駆動用リチウムイオンバッテリー、走行状況に応じて駆動を最適化するスマートマルチモードギアボックストランスミッションを組み合わせ、最高出力115kWを実現。
HEVシステムはリアルタイムで走行状況を解析し、パワートレインの状態や電力使用量に応じてエンジンとモーターの最適な動力配分を自動で制御。走行モードは、モーターの力だけで走るEVモード、モーターとエンジンの出力を活かしたハイブリッドモード、減速時に回生ブレーキによって減速エネルギーを回収して電力変換し、駆動用バッテリーに蓄電する回生モードの3つが用意され、走行状況に応じて最適な走行モードが自動で選択される。
さらにドライバーが任意で選択可能な「Eセーブ」モードを搭載。駆動用バッテリーの残量を40%以上に維持することで、EV走行をしたい場面や登坂路などのモーターによるエンジンアシストが必要な場面に備えて、電力を確保しておくことが可能となっている。
<力強さと上質さを兼ね備えた外観>
外装では、三菱自動車のデザインアイデンティティである「ダイナミックシールド」、サテンシルバーのアクセントをあしらった光沢のあるブラックグリルを採用し、力強くかつ洗練された外観を演出。
サイドでは、ルーフラインが後方まで流れるようなシルエットがダイナミックさと広い室内空間を両立し、足元には新設計の19インチアルミホイールが力強さと特別感を強調。
リヤでは、「スカルプチュアル ヘキサゴン」というデザインアイデンティティを採用。彫り込まれたような六角形のモチーフが、力強さと三菱自動車のDNAを表現するとともに、水平に配したリヤコンビランプが、洗練とモダンな印象を表現している。
<利便性が高く広々とした室内空間>
内装では、使い勝手の良さと積載性にこだわった2列5名乗車シートレイアウトを採用。リヤシートは最大で160mmの前後スライド機能を備えており、ラゲッジスペースの積載容量は434Lから、リヤシートを一番前にスライドさせた状態で566L、リヤシートバックを倒すと最大1,455Lまで拡大。
また、テールゲートはハンズフリー機能付きエレクトリックテールゲートを採用。インストルメントパネル上のスイッチ、またはテールゲートのスイッチ操作による開閉に加え、キーレスオペレーションキーを携帯した状態でリヤバンパー下に足をかざすことでテールゲートの開閉が可能。
さらに、スイッチ操作でガラスの透過と調光の切り替えが可能なパノラマガラスルーフ(調光機能付)も採用しており、あらかじめ設定されたパターンに基づき、全面透過や全面調光に加え、フロント透過・リヤ調光、フロント調光・リヤ透過の調整をすることができる。
<デジタル化・コネクティッド機能>
縦型の10.4インチスマートフォン連携ディスプレイオーディオ(以下「SDA」)を採用。Google アシスタント™や、Google マップ™、Google Play™の利用が可能な他、スマートフォンと連携したい場合にはApple CarPlay、Android Auto™がワイヤレスで接続できる。
また、SDAを通じてドライバーの好みや走行状況に合わせて「パーソナル」「エコ」「コンフォート」「スポーツ」の4つのドライブモードを自在に選択することが可能で着る他、モバイルアプリ「Mitsubishi Motors」では、スマートフォンから駐車位置の確認ができるカーファインダーや遠隔で車両のロック、アンロックやエンジンを操作できるデジタルキーなどでコネクティッド機能を強化した。