欧州日産自動車は6月3日(現地時間)、電気自動車「リーフ」84台分の再生バッテリーをイタリア最大のローマ・フィウミチーノ空港に設置し、排出ガスネットゼロの目標を支援すると発表した。
同取り組みは、フィウミチーノ空港と、EUイノベーションファンドが共同出資した「Pioneer」プロジェクトの一環で、EVの再生バッテリーを活用した蓄電システムを開発し、運用。
ローマ・フィウミチーノ国際空港は2030年までに排出ガスをネットゼロにする目標の達成を目指しており、同蓄電システムに蓄えられたエネルギーで、空港のエネルギー消費がピークとなる夕方の電力をカバー。最先端バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)によって環境負荷の少ないエネルギーを空港に提供する。
BESSは合計10MWhの蓄電容量を保持しており、そのうち2.1MWhをリーフ84台分の再生バッテリーで賄う。また、Pioneerは55,000枚の太陽光パネルで、年間31GWhを発電。これをBESSと組み合わせることで、空港にクリーンな電力を供給し、様々なサービスに活用する。
同再生バッテリーは30kWhと40kWhのバッテリーを使用しており、ともに厳格な安全性と性能の基準を満たしており、日産では空港での同再生バッテリー通常使用で6~7年以上の運用が可能と予測しており、プロジェクト終了後にはリサイクルも検討している。