ミシュランとブレンボがグローバル契約を締結、安全性と快適性を高めるイノベーションを加速

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ミシュランは12月17日、高性能ブレーキシステムの世界的リーダーであるブレンボとインテリジェントソリューションの可能性を最大限に引き出すためのグローバル契約を締結したと発表した。

今回のパートナーシップを通じて、車両性能の革新を実現し、ドライバーにこれまでにない最高レベルの安全性と快適性の提供を目指すとしている。具体的には、ブレンボが持つブレーキシステム、車両モデリング、人工知能の卓越した技術と、ミシュランが誇るタイヤモデリングやアルゴリズム開発の専門性を融合。

この技術革新では、ミシュランのコネクテッドソリューションソフトウェアとブレンボの革新的なSENSIFY®ブレーキシステムの間でデータをリアルタイムに継続的に交換する仕組みに支えられており、ミシュランが提供するタイヤのグリップデータにより、エンジニアはブレーキシステムを極めて精密に調整することができるようになり、SENSIFY®の性能をさらに引き上げらことが可能となる。

ミシュランのコネクテッドソリューションは、タイヤ開発の中で培われた高度なモデリング技術とシミュレーションの専門知識を活かしており、ミシュラン独自の車両データ分析のノウハウにより、リアルタイムで車両に情報を提供できるソフトウェアポートフォリオを開発。その情報には、摩耗状況(Michelin SmartWear)、荷重(Michelin SmartLoad)、グリップ(Michelin SmartGrip)などが含まれており、すべてのタイヤブランドとの互換性を有している。

ブレンボのSENSIFY®は、現代のあらゆる車両に対応する次世代のブレーキシステムとして新たな基準を確立。高い柔軟性、スケーラビリティ、適応性により、さまざまな車種への統合が容易に行える他、ブレンボの世界的に評価されているブレーキコンポーネントと、AI、アルゴリズム、センサーを活用して各ホイールを独立して制御するデジタルブレインを融合していることから、卓越した運転体験と安全性を提供する、次世代のブレーキシステムが誕生した。

初期テストでは、仮想環境と実地で非常に有望な結果を示しており、第1段階では、ミシュランのタイヤモデルとアルゴリズムがブレンボのインテリジェントブレーキモデルおよび車両シミュレーションと統合され、完全に仮想環境で実施され、第2段階では、ミシュランの研究センターにあるテストトラックで実際の試験が行われ、シミュレーション結果が確認された

テストの結果、同じタイヤを使用したさまざまな条件下で、ABS作動中に最大4メートルの制動距離短縮を確認。ブレーキシステムは、反応時間の短縮、トラクションロスの最小化、横方向の安定性向上、さらにはホイールロックの回避といった性能を発揮。これらの要素が相まって、よりスムーズで快適な運転体験の実現が可能となる。

 

<ミシュランの自動車OEM事業部門社長、セルジュ・ラフォン氏のコメント>

ブレンボのような業界のリーダーブランドと力を合わせることができ、大変嬉しく思います。技術革新と卓越性への情熱が、ユーザーの安全性向上に向けた新たな一歩を踏み出す原動力です。タイヤをできるだけ長く、安心して使い続けていただくことは、ミシュランの重要な目標であり、その結果、消費者の購買力と環境の保護にもつながります。ミシュランは『データドリブン企業』であり、タイヤのリアルタイムモニタリングにはシミュレーションとソフトウェア開発が欠かせません。ミシュランとブレンボは共に、未来の車両向けのユニークなソリューションを築いていきます。

 

<ブレンボのCEO、ダニエレ・スキラッチ氏のコメント>

ブレンボでは、テクノロジーと人工知能の力を信じています。実際、私たちはキャリパー、ディスク、摩擦材に関する独自のノウハウや専門知識と、ソフトウェアの力を融合させた企業へと進化しています。SENSIFY®は、事故のない世界というビジョンを実現するための次世代のブレーキシステムです。ミシュランとのパートナーシップは、自動車業界における革新と協力の重要性を物語っています。

 

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