三菱ふそうトラック・バス、新型eCanterベースのSAEレベル2運転自動化機能搭載の自動追尾型ごみ収集車のコンセプトモデルを開発

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三菱ふそうトラック・バス(以下「MFTBC」)は8月7日、環境省が実施するEVごみ収集車を使用したごみ収集作業におけるCO₂削減効果を検証する事業へ参画したことを発表した。

環境省による同事業は、日本政府が目指す2050年までのカーボンニュートラル化に向けて、廃棄物焼却やごみ収集運搬および中間処理施設等の稼働におけるCO₂の排出削減を、デジタル技術の活用を通じて実現することを目的としている。

MFTBCでは、環境省による令和3年度から令和5年度の「エネルギー起源CO₂排出削減技術評価・検証事業のうちデジタル技術の活用等による脱炭素型資源循環システム創生実証事業」に参画し、自動追尾型EVごみ収集車を用いた廃棄物処理作業におけるCO₂削減の実証事業を、環境省及び同事業の受託者である一般財団法人日本環境衛生センターからの委託により実施。令和6年度の同事業へも参画し、EVごみ収集車を用いた実証事業を継続する。

同社は同事業において、「eCanter」の新型モデルをベースに、SAEレベル2の運転自動化機能を搭載した自動追尾型ごみ収集車のコンセプトモデル「eCanter SensorCollect」を開発。同コンセプトモデルを用いて、ごみ収集作業における作業効率化とCO₂削減効果の実証実験を、2023年11月10日から同22日にかけて川崎市内の公道で環境省と合同で行った。

同実証実験では、EVごみ収集車に予め設定した収集ルートを自動で追尾するシステムを搭載し、ごみ収集作業の効率化と作業者の負担軽減における効果の検証を実施した他、同車両に積載したごみの重量や体積及び投入個数をセンサーで感知し、これらの情報をごみ処理施設にインターネット経由で送信するごみ情報共有システムも開発し、ごみ処理施設まで含めた全体の運用効率化・高度化における効果の検証も行った。

実証実験で用いたコンセプト車両のeCanter SensorCollectは、2020年に開発された自動追尾型EVごみ収集車の初代コンセプトモデルの機能を一部改良した新型モデルとなり、安全性と環境性そして操作性を兼ね備えた次世代のEVごみ収集車。車両前方と後方に搭載したミラー兼用のカメラセンサーが運転席から下車する人を自動的にドライバーと認識し、ごみ集積場に到着後もドライバーの後を車両が自動追尾を実施。車両はワイヤレス式HMI(Human Machine Interface)を通じて遠隔操作ができるため、ドライバーが運転席に乗り降りする回数を大幅に減らすことで、作業時間を短縮するとともに、ドライバーの肉体的負担を軽減することが可能。車両に搭載したカメラ及び超音波式センサーと高精度GPSで車両付近に安全区域を形成し、車両周囲にある障害物の回避や、安全区域に人が侵入した際の緊急停止、車両の追尾や一時停止等の遠隔操作も可能となっている。

今回の実証実験では車両総重量(GVW)6.4トンでリチウムイオンバッテリー1個を搭載した車両を使用し、新型eCanterに搭載された衝突被害軽減ブレーキ等の安全装置により、車両周囲の安全強化にも備えている。

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