日産自動車は、電気自動車(EV)オーナー向けに長時間運転時の疲労回復のための専用スパ「FULL-CHARGE SALON(フルチャージ サロン)」を、東名高速道路・足柄サービスエリア(SA、上り線:2023年8月3日まで)と、新名神高速道路・宝塚北SA(上下集約:2023年8月24日から9月6日まで)の2カ所で開設している。
【特設サイト】https://ev2.nissan.co.jp/EV/GREENPASS/
ここで提供される約20分のリラクゼーションメニューは、日産と新潟大学、そして“日本一予約の取れない”ヘッドスパとして知られる、悟空のきもちにより共同開発されたもの。また、ドライバー以外の同乗者向けには専用の休憩ラウンジが用意され、レストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨ2022」でベストパティシエ賞を受賞した加藤峰子氏監修のもと、オーガニック素材や、廃棄される規格外の果物を有効活用した「身体にチャージする」スペシャルドリンクが提供される。
また、施術体験中のリラックス効果を高めるため、爽やかな柑橘とグリーンティーにカルダモン、タイム、ドライウッドをアクセントで加え、「日産の香り」を表現した「NISSAN Inspiring Journey」が施術中のアロマとして採用された。元気と活力を与え、思わずクルマを運転したくなる気分をもたらす「日産の香り」によって、さらに癒しのひとときを過ごすことができる。
さらに、このサロン施設は運営の一部使用電力をEVから供給する等、環境課題の解決に貢献するEVオーナーを迎えるにふさわしい空間を目指している。
■長時間運転で疲れはどこにたまる?
新潟大学・自然科学研究科 村山研究室と共同で、長時間運転による疲労を走行実験から検証した。
実験では、若年層(20代~30代)と中年層(40代~50代)の各2名が、新潟県・黒崎スマートIC~富山県・黒部ICの往復、全長約400㎞の高速道路を走行してもらい、筋肉の硬さによる筋疲労、見えるちらつきの変化による目の疲労、注意力・視力・処理速度・ワーキングメモリの変化、抹消血管の血流の変化でみる疲労、アンケートによる主観的な疲労の5つを計測した。
その結果、最も疲労する部位は、右頚筋後部(首の右後ろ側)(+39%)で、長時間運転により同じ位置で首を保つ必要があり、緊張やストレス、振動などが筋肉の緊張を引き起こしていることが原因と考えられる。
次いで、左上腕三頭筋(+19%)、右脊柱起立筋(背中の右側、+17%)、左上腕二頭筋(+16%)という結果になった。下半身は、両年代ともに、前脛骨筋(脛のあたり)、腓腹筋(ふくらはぎ)に疲労が集中することがわかった。
また、身体の部位の疲労だけでなく、視神経の疲労を測定すると1~2時間で緩やかに疲労がみられ、400㎞地点で視神経の疲労はピークに。脳疲労を図る筆記テストでは、400㎞地点で処理スピードに最大+6秒の遅れがみられ、長時間の運転で脳が疲労することで、注意力・処理速度が鈍っていくことが明らかになった。
実験を行った新潟大学・村山敏夫准教授は「重要なことは全身均等に疲労が現れるのではなく、体の部位ごとに疲労の出現に差があったこと。長時間による同一の運転姿勢が影響している」と考察。併せて、この体の疲労が疲労感を誘発すると思われるデータも抽出した。「疲労感は回帰直線的に蓄積されるのではなく、筋疲労や眼性疲労等身体の疲労が蓄積されていき、“疲労感“を誘発していると考えられる。マッサージ等で体の部位ごとの疲労を緩和すれば、疲労感からの解放も期待でき、導入の意義は深いものと思う(村山准教授)」と語った。
日産は2010年、量産型EV「日産リーフ」の発売以降、EVの普及を通したゼロ・エミッション社会の実現を目指し、様々な施策に取り組んでいる。EVのパイオニアとして、EV社会への更なる貢献を目指すとともに、すべてのEVオーナーに豊かなカーライフを届けるため、2022年2月にEVオーナー優遇サービス「GREEN PASS」を開始。今回はその第3弾となる。