ボルボ・カーズは12月10日、国際的な環境NPOであるCDPによって、「気候変動Aリスト」に選定されたと発表した。同社は排出量の削減や気候変動リスクの軽減により、クライメート・ニュートラルな企業になることを目指した取り組みを実施。そのサステナビリティ戦略が評価され、今回「気候変動Aリスト」に選定されたとしている。
CDPは、詳細かつ独立した方法で企業を評価し、情報開示の包括性、環境リスクの認識と管理、意味のある高い目標の設定など、環境リーダーシップに関連するベストプラクティスの実証に基づき、A~D-のリストを付与している。
今回の選定により、同社はCDPの気候変動リストの中で、少数の企業とともに最上位に位置づけられた。13,000社以上の企業が環境への影響やリスク、取り組みに関するデータを開示して参加している。
今回の「気候変動Aリスト」選定に際し、ボルボ・カーズのグローバル・サステナビリティー部門の責任者であるアンダース・カーバーグ氏は、「排出量を削減し、クライメート・ニュートラルな企業になろうとする私たちの努力がCDPに認められたことを大変誇りに思います」と述べています。「名誉ある『Aリスト(最高評価)』を獲得したことは、私たちが正しい方向に進んでいることを示しており、他の企業にも更なる努力を促すことができると期待しています」と述べた。
ボルボ・カーズは、2030年までに完全な電気自動車メーカーになることを目指しており、自動車業界で最も野心的な電動化計画の一つとして、今後数年間で電気自動車の新シリーズの展開を予定している。これは、2040年までにクライメート・ニュートラルな企業になるという高い目標の一環であり、事業全体で一貫してカーボン排出量を削減することに取り組んでいる。
また、2018年から2025年の間に、平均的な自動車1台あたりのライフサイクルにおけるカーボンフットプリントを40%削減することを目指しており、これには2025年までにサプライチェーンにおけるカーボン排出量を25%削減することも含まれている。
さらに、これらの削減を実現するために、スウェーデンの鉄鋼メーカーであるSSABと共同で化石燃料を使用しないスチールを開発したほか、スウェーデンのバッテリーメーカーであるノースボルト社と共同で次世代の持続可能なバッテリーセルを開発・製造するなど、積極的な取り組みを行っている。
加えて、11月に開催された国連のCOP26気候サミットにおいて、新車販売のゼロ・エミッション化に関する共同声明に署名するとともに、事業全体のカーボン排出量1トンにつき1,000 SEK(スウェーデン・クローナ、日本円:12,500円)にするカーボン価格を社内で導入。事業全体にカーボン価格の仕組みを導入したのは自動車メーカーとして初となる。