三菱自動車工業は10月28日、フラッグシップSUVのアウトランダー(PHEVモデル)をフルモデルチェンジし、同日より予約受注も開始した(発売は12月16日)。新型はPHEVシステムを刷新と、前後モーター、駆動用バッテリーの出力向上によりEV走行の頻度を増やしEV走行距離を延長(最長87㎞)。さらに、車両運動統合システム(S-AWC)の機能を向上させ、さらなる操縦安定性向上と、ドライバーの“意のまま”のライントレースも可能にした。
■より力強く、より遠くへ──新世代PHEVシステム
直列4気筒2.4リッターMIVECエンジン+前後輪専用モーター、駆動用バッテリー、発電用モーターというシステムの基本構成こそ変わりはないが、それぞれのパフォーマンスを刷新させ、EV航続距離とEVらしい加速感を向上させた。
前輪用モーターのパワードライブユニットに昇圧機能が新採用され、前輪用モーターへの供給電圧が高められ、強力な駆動力を発揮する。同時に、ジェネレーター(発電用モーター)の効率を高めることで“電費”低減にも貢献している。
後輪用モーターは、コントロールユニットと一体化。構造の小型化により、サードシート設置に必要なフロアスペースが確保され、7人乗りも可能になった。また、ユニットがキャビン外側に搭載可能になり、高周波ノイズが遮断され、静粛性向上につながった。
新たな機能として、アクセルペダルだけで加減速が可能な「イノベーティブペダル オペレーションモード」が新設された。減速時にブレーキペダルに踏みかえる必要がなく、アクセルペダル操作だけで適切な制動力が発揮され、ステアリング操作に集中でき、雪道等の滑りやすい路面等で、安心感を高めている。
■4輪の性能を最大限活用し、あらゆる天候や路面状況で安全・安心
前後にモーターを搭載する“ツインモーター4WD”をベースとした車両運動統合制御システム、S-AWCには新たに後輪側にも、ブレーキAYC機能が追加された。
これにより、前後輪の駆動力を路面状態や運転状況に応じ最適に配分しつつ、左右輪のブレーキを制御するトルクベクタリングも前後輪で可能になり、4輪全てのタイヤ能力を一層バランス良く、最大限に引き出すことで、ドライバーの思い通りのハンドリングと高い操縦安定性を実現した。
また、路面状況や運転スタイルに応じ、以下の七つのドライブモードが設定されている。
①ノーマル=舗装路での通常走行に最適(基本的なモード)
②ターマック=乾燥舗装路でキビキビと加速するアクセルレスポンスと高い旋回性を発揮
③グラベル=未舗装路や濡れた舗装路での操縦性と走破性を両立
④スノー=雪道等の滑りやすい路面で車両挙動を安定させる
⑤マッド=泥ねい路や深雪路で車速に応じた高い走破性と、スタック時の脱出性を高める
⑥パワー=強い加速が必要な時
⑦エコ=環境に優しく経済的な走行
■運転支援技術も進化
高速道路の渋滞や巡航時のドライバー負担を軽減できるよう、最新の運転支援技術が幅広く採用されている。
その一つが、レーダークルーズコントロールシステムとレーンキープアシストを統合させた“MI-PILOT(マイパイロット)”で、高速道路等で車間距離と車線中央をキープする。また、速度標識を認識し設定速度を自動的に切り替える他、ナビリンク機能により、地図情報から高速道路のカーブや分岐等で、自動的に車速を適切に調整する。渋滞時でも停車後30秒以内の自動発進を行い、高速道路の長距離運転や渋滞時の疲労を低減させる。
外観デザインでは、フロントマスクのダイナミックシールドを新世代のデザインとした。サイドは、20インチ大径ホイールを包み込むフェンダーフレアと、飛行機の垂直尾翼をモチーフしたというDピラー、フローティングルーフが特徴的で、より力強く軽快な走りを印象付けている。
内装では、走行中に車体姿勢の変化を把握しやすいよう、水平基調で力強い造形を持つインストルメントパネルを採用した。さらに、随所に手触りがよく質感を高めるソフトパッドを採用。セレクターやダイヤル、スイッチは、操作時の節度感にもこだわった。
インフォテインメントシステムでは、ドライバーの視線移動を少なくし、なおかつ必要な情報にアクセスしやすいよう、12.3インチのフル液晶ドライバーディスプレイを採用。さらに、10.8インチのヘッドアップディスプレイや、スマートフォンと連携可能なナビゲーションシステムを採用した。
【希望小売価格】M(5人乗り)=462万1100円▽G(5/7人乗り)=490万4900円~499万6200円▽P(7人乗り)=532万700円