文・写真:吉田直志(automobile columnist)
急に暖かくなったかと思えば、急に冷え込んだり、今年の春先は天候が目まぐるしく変化したかと思ったら、いつしか、夏が待ちきれない季節となった。そこで今回は、昨年BMWから発表されたSAV「X3」を連れ出して、太平洋の海原を眺め、まだ冷たい海に足を付け、そして獲れたての魚に舌鼓を打つ……、夏を先取りするドライブへと出掛けることにした。
今回の目的地である茨城県大洗・那珂湊までは、常磐自動車道から北関東自動車道、そして、東水戸道路を乗り継いで行くことができ、その距離も都心から130kmほど。想像していたよりも近いなと思った方もいるかもしれないが、さらに、ICをおりてから今回訪れた観光スポットまでの距離が近いこともポイントとなっており、その中でも「国営ひたち海浜公園」は、駐車場まで直結といわんばかりの距離にある。そう、アクセスがイージーだ。
ということで、まず訪れた「国営ひたち海浜公園」だが、今年は少し早かったようだが、例年ならば5月の連休の頃にネモフィラが丘陵地帯一面に花を咲かせ、秋にはホウキグサの紅葉が美しいことでも有名なスポット。
もちろん、季節によって様々な花が見られるし、広い敷地内をゆっくりと散策する愉しみもあり、この地域を訪れた際には是非とも立ち寄りたい。公園近くにある「阿字ケ浦海水浴場」は取材した5月はまだ人影もまばらだったが、夏になると多くの人が訪れるスポットとなっており、夏を感じるにはこちらも外せないスポットだ。
今回、ランチで新鮮な魚介類を扱う店舗や食事処が多く並んでいる「那珂湊おさかな市場」を訪れた。いずれも夕方前には店じまいをしてしまうので、土産を買いたいとか、食事をしたいというのであれば、できるだけ早く足を運ぶことをオススメしたい。
ドライブに連れ出したBMW X3は、M SPORTというスポーティなシャシーセッティングや装備を特徴としたグレードだったこともあり、低速域ではゴツゴツとした硬さを感じさせていたが、高速走行になると一変し、フラットな乗り心地とシャープなハンドリングを披露してくれる。
取材車両は、大型ガラスルーフが付いていたこともあって、スポーティなのに快適という不思議な気分を感じさせてくれた。ディーゼルエンジンは車内ではその音、振動とも感じさせることがなく、豊かなトルクも相まって、加速性能は抜群。それでいながら、実燃費は15.6km/Lを記録したからオドロキだ。
ランチの後は南下して、那珂川を渡り、大洗へと向かった。大洗といえば、「アクアワールド茨城県大洗水族館」、「大洗マリンタワー」をはじめとした定番ともいえるスポットが数多くあるが、最近(といっても6年前)、そこに「めんたいパーク大洗」というテーマパークスタイルの施設が加わった。ここは工場に併設された施設で、工場直売店や工場ギャラリーのほか、明太子を使ったメニューを揃えたフードコーナーがあり、いろいろと楽しむことができる。また、大洗地区にも食事処が増えてきており、平日なのに12時前から行列ができていた店舗があり、次回は早めに来ようと思った。
過去にもこのコーナーで紹介しているが、この地域にはさまざまなスポットを組み合わせることで、1日では回り切れないほどの愉しみがある。もし時間に余裕があるようだったら、大洗からさらに国道51号線を南下し、鹿島まで走るルートもオススメ。のんびりと海岸線を眺めながらのドライブは格別だ。
ドライブデータ
試乗車=BMW X3 xDrive20d M SPORT
パワーユニット=ディーゼル1995ccターボ、4WD、8AT
乗車定員=5名
全行程走行距離=約500km
立ち寄りスポット[マップコード]
・国営ひたち海浜公園[47 266 306*22]
・那珂湊おさかな市場[47 026 352*32]
・大洗マリンタワー[239 503 806*62]
※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。
プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。
(本稿は2018年5月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)