日産自動車は9月17日、経営再建計画「Re:Nissan」の一環として、将来に向けてグローバルに展開するデザイン拠点を戦略的に再編すると発表した。2025年度末までの再編完了を予定している。
今回発表した再編により、日産はリソースをより適切に配分し、デザインプロセスの中心にテクノロジーを組み込むことで、より迅速な意思決定、より深く創造的な協働を実現し、市場の変化により機敏に対応するとしている。
今回の再編に伴い、米国のカリフォルニア州サンディエゴにあるデザインセンターとブラジルのサンパウロにあるデザインスタジオでの業務は終了し、同スタジオで行われているデザインの業務やプログラムは、継続性を維持し、優先事項を見直しながら、その他のスタジオへ移管。ロンドンと日本のスタジオは規模の見直しを実施する。
<日産のグローバルデザイン担当執行職 アルフォンソ アルバイサ氏のコメント>
私たちはグローバルなデザイン業務を5つのアジャイルなデザイン拠点に再編します。これらの拠点では新しい技術と創造的なエネルギーを活用し、急速に進化する自動車業界の中で、より迅速かつスマートで、よりつながりのあるデザインソリューションを提供していきます。この戦略的なシフトにより、私たちは創造を生み出すエネルギーを上流工程のイノベーションや将来モビリティに集中させることができるようになります。そして、ますますダイナミックに変化し続ける環境において、創造力をさらに向上させ、変化により機敏に対応していきます。
<今後、グローバルにコアとなるデザイン拠点>
- 日産グローバルデザインセンター(神奈川県厚木市)は、リードスタジオとして、グローバル市場向けのクリエイティブなデザイン業務を統括。また、商品のデザイン開発拠点として、世界中に向けて大胆で革新的な車両デザインを提供する。
- スタジオ6(米国 ロサンゼルス)は、先進的なクリエイティブスタジオとして、グローバルなライフスタイルやテクノロジー文化の変化に焦点を当てながら、日産やインフィニティが提供する体験を生み出す新たな消費者トレンドを探求。同スタジオは、米国の主要なデザイン拠点へと進化し、上流工程を主導することで北米のカスタマーとのつながりを強化し、必要に応じて戦略的な地域プロジェクトをリードする。
- 日産デザインヨーロッパ(英国 ロンドン)は、引き続き革新的なデザインに注力し、特にアフリカ、中東、インド、欧州、オセアニア(AMIEO)を支援。また、ルノーなどの同地域における主要なパートナーとも引き続き連携。
- 日産デザイン中国(中国 上海)は、中国市場に特化し、上流工程で創造性とデザインの卓越性を生み出すことに引き続き注力し、世界で最も競争の激しい電気自動車(EV)市場での存在感を向上する。
- クリエイティブボックス(東京都)は、ブランドやライフスタイルデザインにおける体験型プロジェクトに引き続き注力し、日産ブランドと世界中の新しいカスタマーとのつながりを強化する。