ホンダ 「Honda Meeting 2019」発信概要を発表

業界ニュース

ホンダは、創業100年を超える2050年に存在を期待される企業であり続けるために、その将来の姿を見据えて定めた「2030年ビジョン」の実現に向け、現在取り組んでいる技術開発の方向性を「Honda Meeting 2019」にて発信した。

2030年ビジョン実現に向けた技術開発の方向性

  • ホンダは、2030年に「すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」ことを2030年ビジョンとして掲げ、各領域で取り組んでいく。
  • 2030年ビジョンの実現に向けてモビリティ製品にとどまらず、エネルギー、ロボティクスなどの技術革新を進めていく。そして、こうした技術を融合させることで、ホンダならではの新価値を生み出していく。
  • 二輪・四輪・ライフクリエーション・航空機の各事業を通じて、年間3,200万人のカスタマーとの繋がりを持つホンダは、その強みを最大限に活用するとともに、アライアンスにより新価値技術を賢くスピーディーに具現化することを目指している。具体的には、電動モビリティとエネルギーサービスがコネクテッド技術を通じて繋がり、循環するHondaならではの技術・サービス「Honda eMaaS」の構築を目指す。
  • このHonda eMaaSにより、再生可能エネルギーの利用を拡大し、「移動」と「暮らし」を進化させることで、ユーザー価値の向上に貢献していく。

 

■技術開発の重点取り組み領域

<カーボンフリー技術>

  • ホンダは、環境負荷ゼロ社会の実現に向け、CO2排出ゼロに重点を置き、自由な移動の喜びの提供と持続可能な社会の実現に取り組んでいる。その中で求められるパワートレーンは、インフラや法規制、各地域のカスタマーニーズによって異なり、さらに多様化が進むと考えられるため、適材適所の考え方で、カスタマーに最適な商品を届ける。
  • 具体的には、2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を、従来の中型車から小型車へも拡大すると共に、プラグインハイブリッド車(PHEV)にも採用するなど、電動化技術のコアとして展開していく。また、ハイブリッド技術の開発で培った高電圧システム技術を用いてバッテリーEV(BEV)、燃料電池車(FCV)などの性能向上に繋げていく。
  • BEV開発においては、クルマの基本骨格を共用したBEV用アーキテクチャーを採用していく。部品の共有化を高めながら、ボディー形状や求められる走行可能距離に合わせた多様なバッテリーの適用、四輪駆動化など、フレキシブルな商品展開と効率的な開発を可能にしていく。

 

<交通事故ゼロ技術>

  • ホンダの安全技術が目指す姿は、交通事故ゼロ社会の実現に加え、誰もがいつでも自由に移動できるモビリティを通じて、全ての人に安心と好奇心をかき立てる新たな移動の喜びを提供することである。
  • 現在、最も力を入れているのは、安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の機能拡充で、自動運転の研究によって得られた技術を随時投入し、さらなる性能向上に取り組んでいくとともに、Honda SENSINGが装着されていない既販車への踏み間違い抑制機能の後付け装置についても開発を進めていく。

 

<eMaaS、コネクテッド技術>

  • ホンダは電動モビリティ、エネルギー、コネクテッドの各サービスによる移動と暮らしがシームレスに繋がった世界を目指す技術・サービスをHonda eMaaSと定めた。
  • ホンダは、「スマート水素ステーション(SHS)」や可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」、着脱式可搬型バッテリー「Honda Mobile Power Pack」など、環境にやさしく賢い電気の利用を可能にするエネルギー技術・サービスに取り組んでいる。
    これを、コネクテッド技術を通じてさまざまな電動モビリティと繋げていく。
  • そうした活動を通じて、人々に自由な移動を提供すると同時に、再生可能エネルギーなどの利用拡大とカーボンフリー社会を目指していく。

<研究開発の体制の変更>

ホンダは、時代変化のスピードに対応すべく、この4月から研究開発体制を変更した。将来に向けた新たな価値を自由な発想で生み出す先進研究領域と、事業部門と連携しホンダらしい、より良い商品を効率良く生み出す、既存の商品開発領域に分け、役割を明確にした。この新しい体制で「移動」と「暮らし」における新価値創造を、積極的かつスピーディーに進め、魅力的な商品をタイムリーに提供する。