ホンダは8月6日、同社の配送用電動アシストマイクロモビリティ「Fastport eQuad(ファストポート イークアッド)」プロトタイプが、「レッド・ドット・デザイン賞」デザインコンセプト部門において最高賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞したと発表した。
また、電動二輪車「EV Fun Concept(イーヴィー ファン コンセプト)」、「EV Urban Concept(イーヴィー アーバン コンセプト)」が同部門で、二輪車の電動過給機付きV型3気筒エンジンのコンセプトムービー「New V3 Engine Concept Teaser(ニュー ブイスリー エンジン コンセプト ディザー)」がブランド&コミュニケーションデザイン部門で、それぞれ「レッド・ドット賞」を受賞した。
1955年に設立されたレッド・ドット・デザイン賞は、ドイツ・エッセンを拠点とするノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催する、世界的に権威あるデザインに関する賞の一つ。プロダクトデザイン部門は51カテゴリーに分けられ、主に工業製品を対象に、デザインの革新性、機能性、耐久性、人間工学など9つの基準から審査が行われる。
Fastport eQuadは、ライダーがペダルを漕ぐ力を原動力とし、それを電動アシストで補助する1人乗りの配送用マイクロモビリティ。ライダーのペダル操作を電子的に動力に伝えるペダル・バイ・ワイヤ方式と、ペダル操作を電力で補助するペダルアシスト駆動システムを組み合わせ、力強く滑らかで静粛性の高いゼロエミッション走行を実現。
自転車レーン(米国・欧州の交通制度におけるもので、日本における定義とは異なる可能性あり)での走行を想定して設計されており、複雑な交通環境や渋滞が多い都市部での物流のスピードや効率性の向上に寄与することを目指している。2026年夏に本格的な量産開始を予定している。
洗練されたデザインを採用した外装では、実際の使用環境における周囲との調和にも配慮して設計。自転車をモチーフにしながら、周囲の通行者や道路環境を直感的に認識できるよう、透明素材を効果的に取り入れたデザインとなっており、クリアなフロントガラスは、ライダーの視界を確保すると同時に、外部からも運転席が見えるようになっている。また、透過性のあるコンテナを採用することで、Fastport eQuadのボリューム感を視覚的に軽減した。
<株式会社本田技術研究所 常務取締役 デザインセンター担当 南 俊叙氏のコメント>
世界的なデザインアワードであるレッド・ドット・デザイン賞において、昨年の「Honda 0(ゼロ)シリーズ」に続いてのデザインコンセプト部門、さらにはブランド&コミュニケーション部門で受賞することができ、大変光栄に思います。これは、環境や時代の変化、ライフスタイルの多様性を深く洞察し、新たな価値を創出してきたHonda Designの取り組みが高く評価された証だと考えています。今後もデザインのみならず、さまざまな新価値創造に取り組み、人々の生活や暮らしに驚きと感動をもたらすモビリティを提供し続けていきます。