日産自動車は7月15日、経営再建計画Re:Nissanで推進するグローバルな生産拠点の見直しの一環として、同社の追浜地区にある追浜工場(神奈川県横須賀市)における車両生産を2027年度末に終了し、同工場での車両生産については日産自動車九州(福岡県苅田町)へ移管、統合すると発表した。現在、追浜工場で生産しているモデルや今後生産を開始するモデルは、日産自動車九州での生産を予定している。
今回の決定は、追浜地区の一部である追浜工場についてのものとなり、同地区にある総合研究所やGRANDRIVE、衝突試験場、追浜専用ふ頭など、その他のすべての機能については、今後も変更なく事業を継続。
生産終了後の追浜工場については、今後、幅広い選択肢を検討し、最適な活用方法を決定する他、追浜工場に勤務する従業員は2027年度末まで同工場での勤務を継続し、その後の雇用や勤務については、方針を決定し次第、従業員に連絡するとともに組合との協議開始を予定している。
日産の経営再建計画Re:Nissanでは、グローバルの生産能力を350万台(中国除き)から250万台に削減し、工場稼働率を100%レベルに維持することを目指しており、その実現に向けて、グローバルに生産拠点を17から10へ統合するための検討を推進。
日本については、生産能力やコスト競争力、生産集約による新たな投資発生の有無などの観点から、追浜工場の車両生産を日産自動車九州へ移管し、統合することが、最も効果的であるという結論により今回の移管が決定された。
<日産自動車 イヴァン エスピノーサCEOのコメント>
日産は本日、大きな決断をしました。私にとっても会社にとっても簡単な決断ではありませんでしたが、現状の課題を克服し、持続可能な未来を築くための重要な一歩だと信じています。追浜工場は日産の歴史の誇りであり、その伝統は永く受け継がれていくでしょう。この工場を支えてきた従業員や地域の皆さま、パートナーの皆さまに心から感謝申し上げます。私たちは今後も追浜地域での事業を継続し、地域社会へ貢献していきます。そして、追浜工場の精神を引き継ぎながら、日産本来の価値を取り戻すために取り組んでいきます。
<追浜工場について>
◆住所:神奈川県横須賀市夏島町1
◆操業開始時期:1961年10月
◆敷地面積:547,606㎡(工場敷地のみ)
◆従業員数:約2,400名
◆生産車種:ノート、ノートオーラ
◆主な歴史:
- 1961年:操業開始(ダットサンブルーバード生産開始)
- 1978年:生産累計500万台達成
- 1984年:追浜専用埠頭完成
- 1992年:生産累計1,000万台達成
- 2001年:マーチ生産開始
- 2003年:キューブ生産開始
- 2007年:「GRANDRIVE」を竣工、生産累計1,500万台達成
- 2010年:日産リーフ生産開始
- 2012年:2ライン生産終了
- 2016年:初代ノートe-POWER生産開始
- 2021年:現行ノートオーラ生産開始