三菱ふそう、「eCanter」の使用済みバッテリーを蓄電システムに再利用する「バッテリーセカンドライフ」の実証実験を2月より開始

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三菱ふそうトラック・バス(以下「MFTBC」)は1月28日、電気(EV)小型トラック「eCanter」の使用済みバッテリーを蓄電システムに再利用(リユース)する「バッテリーセカンドライフ」の実証実験を2月より開始すると発表した。

同実証は、次世代型蓄電池の開発を行うCONNEXX SYSTEMS株式会社と共同で行うもので、eCante従来型モデルの使用済みバッテリーを車両から取り外し、CONNEXX SYSTEMS が開発するEV用充電器一体型の蓄電システム「EnePOND® EV Charger(仮称)」の電源として再利用する。

CONNEXX SYSTEMSでは、高度な蓄電池の開発・生産技術を有し、産業用蓄電システム製品の展開を進めるとともに、リチウムイオンや鉛など種類の異なる二次電池を一体化して総合的に性能を向上させる蓄電池技術や、鉄と空気によりリチウムイオン電池の数倍のエネルギー密度を実現する革新電池などの開発に取り組んでいる。

EnePOND® EV Chargerは、複数台のEVを同時に充電する際の既存の配電網への負荷を軽減し、停電時にもEV充電が可能となる他、使用済みEVバッテリーの再利用により、低コストかつ短期間での充電インフラ拡充に貢献するとともに、使用済みEVバッテリーの寿命を大幅伸長が可能となる。

同実証では、2月より京都府向日むこう市市役所にEnePOND® EV Chargerを設置し、市のEV公用車の充電に使用する他、2025年中盤を目途に、MFTBCの川崎製作所構内でもEnePOND® EV ChargerをEVトラック等の充電に使用する予定となっている。

MFTBC とCONNEXX SYSTEMS は、同実証においてEnePOND® EV Chargerの実用性を検証することで、使用済みのeCanterバッテリー再利用の用途確立と、2026年を目標とする実用化への検討を推進する。

バッテリーセカンドライフは、MFTBCがカスタマーのEVトラックの導入・運用を包括的にサポートする「FUSO eモビリティソリューションズ」の「バッテリーライフサイクルマネジメント」における取り組みとなり、バッテリーが EV において大きな価値を占め、EV 化の進展に伴って使用済みEV バッテリーとその活用・処理ニーズが今後急増すると見込まれる中、MFTBC は同実証と2024年9月に公表したバッテリー「材料回収」を取り組みの両輪と位置づけ、それぞれ早期の実用化に取り組む。

蓄電システムは、太陽光などの再生可能エネルギーを貯蔵し、発電と消費の需給調整に貢献する他、停電時のバックアップ電源として事業継続性を確保しながら、ピーク時の電力使用を抑制することで電力系統の安定化にも寄与する。

なお、MFTBCとCONNEXX SYSTEMSは、2月4日と5日に向日市で開催される国内外の脱炭素技術をテーマにしたイベント「ZET-summit 2025」(主催:ZET-Summit実行委員会)において、同実証について説明するとしている。

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