新車の納期遅れの解消は2022年後半以降にずれ込む趨勢となっている。サプライヤーからの半導体部品を中心とした供給が滞り、自動車メーカーが生産調整に追い込まれているからである。
供給元の多い東南アジアのサプライヤーはコロナ禍によって、工場の生産ラインがストップする事態に追い込まれている。感染拡大は新しい変異株の「オミクロン株」の発生でさらに厳しくなっている。この年末年始では人の動きが活発になり、さらに感染が悪化することが懸念されている。
国内向けの量販モデルは納期が軒並み2~3カ月遅れになっているが、受注が集中する人気新型車は半年以上もさらに先送りになっているモデルもある。当初は2022年4月頃になれば解消するのではないかと予想されたが、最近はまだ不透明で2022年初めには生産調整を余儀なくされるメーカーも多くなっている。
困るのは販売店やユーザーである。販売店は新車の受注活動をやめるわけにはいかないので続けている。こうなるとバックオーダーがますます先送りになる事態になっている。車検が近づくユーザーは成約分をキャンセルして次の車検まで先送りケースも発生している。
販売店にとっては契約した新車のナンバーを取得して納車しないと、代金がもらえないので死活問題になりかねない状況に追い込まれつつある。納車できないと新車の代金がもらえないだけでなく、アフターケアもスムーズに行えないので、サービス売上も激減してしまう。それでも首都圏の販売店を回って見ると、各店舗のショールームには人だかりが多くみられ、表面上は受注が増えている状況が伺えるのである。