FCAジャパンは2月18日、アルファロメオが新開発したコモンレール式2・2ℓ直列4気筒ターボチャージャー付ディーゼルエンジンの日本市場への導入を発表した。同社のSUV「ステルヴィオ」とセダン「ジュリア」に搭載し、クラストップの卓越した出力・トルクに加えクリーンな環境性能を実現。ステルヴィオ、ジュリアとも4月6日から販売を開始する。(トップ写真:ステルヴィオ2・2ターボディーゼルQ4とFCAジャパン代表取締役兼CEOポンタス・ヘグストロム氏(左)、アルファロメオのエンジン開発部門代表‐EMEA地域パオロ・パロッティ氏)
■クラストップの実力と優れた燃費性能
今回ステルヴィオ、ジュリアに搭載されたのは、アルファロメオのディーゼル技術の精緻を結集した新型ディーゼルエンジン。2・2ℓの直4ディーゼルターボで基本設計を共有しながらステルヴィオ、ジュリアそれぞれの特性に合わせた最適なチューニングを施されている。
ステルヴィオは、最高出力210PS/最大トルク470Nmを発生し、高出力とディーゼルならではの圧倒的なトルクを両立。0-100㎞/h加速タイムは6・6秒を記録し、ディーゼルエンジン搭載SUVとして、スポーツカー並みの優れた加速性能を実現した。一方、ジュリアは同190PS/同450Nmで、0-100㎞/h加速タイムは7・2秒となっている。
燃費性能は、WLTCモード計測でステルヴィオが16・0㎞/ℓ、ジュリアは17・2㎞/ℓの低燃費を達成。同クラスのガソリンモデルに比べ、最大45パーセントの燃費向上を実現している。
また、縦置きに配置されるエンジン本体は、アルファロメオのディーゼルエンジンとして初となるアルミ製エンジンブロックや中空カムシャフトを採用。エンジン単体重量は155㎏に抑えられ、アルファロメオらしい軽快なハンドリングにも大きく貢献している。
■最先端技術でスポーティな走りとクリーンな環境性能を両立
同エンジンには、さまざまな最先端技術が導入されている。中でも特徴となるのが、ターボRPM(レスポンシブ・パフォーマンス・マネジメント)とマルチジェットⅡテクノロジーの2つ。
ターボRPMは、より正確な排圧コントロールを可能にするターボスピードセンサーやe-VGT(電子制御式バリアブル・ジオメトリー・ターボ)を盛り込んだ革新的なシステムで、低回転域からターボラグのないレスポンスと高トルクを実現する。具体的には、1250rpnの低回転から300Nm以上のトルクを発揮し、1500rpmで440Nm以上、1750rpmで最大トルク470Nm(ジュリアは450Nm)を発揮し、全回転域において優れたドライバリティを実現している。
また、燃料を複数回噴射する燃料吐出制御「IRS(インジェクション・レート・シェイピング)」を含むマルチジェットⅡテクノロジーは、1行程に2000barの超高圧燃料噴射を最大8回行う高精細な燃料噴射装置。加えて、広範囲のフリクション低減や徹底した温度管理等により、効率の最大化が図られている。
この他、DOC(ディーゼル酸化触媒)やDPF(ディーゼル微粒子補集フィルター)をはじめ、SCR(選択式触媒還元)テクノロジー、アドブルー(尿素水溶解液)噴射装置といった排出ガス後処理技術を採用し、世界有数の厳しさで知られる日本の排出ガス基準「ポスト新長期規制」もクリアしている。
■個性に合わせた充実した装備を採用
今回、日本に導入するディーゼルモデルは、ステルヴィオ2・2ターボディーゼルQ4/ジュリア2・2ターボディーゼルスーパーの2モデル。装備内容は、バイキノセンヘッドライトをはじめ、アップルカープレイ/アンドロイドオート対応のコネクトシステム、シートヒーター付きのレザーシート、前席パワーシート、リヤパーキングカメラ、アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)等、既存のガソリンモデルと同等の装備内容となっている。
加えてステルヴィオには、18インチ5スポークアルミホイールやパワーテールゲート等を装備し、ジュリアは18インチ10スポークアルミホイールやハーマン・カードンのオーディオシステム等を搭載し、それぞれの個性を主張する。
【価格】ステルヴィオ2・2ターボディーゼルQ4=617万円▽ジュリア2・2ターボディーゼルスーパー=556万円